2021-4-8 23:26 /
稍微想再做一下咲良田中日字幕视频。上一次顺便做了多版本对比,这次干脆先对比看看比较值得一提的变动量有多少。(施工完毕)
(删除线表示旧版被删除部分,下划线表示新增部分)

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「貴女が思い浮かべたものは、きっと、この世界には存在しないでしょう目を開くとみえなくなってしまうでしょう
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「でもそれと同じくらい綺麗なものが、世界にはたくさんあるのよ」
 と、先生は言った。
それは、 あるだろうか? 本当に? でも先生が言うのだから、きっとあるのだろう。
「どこにあるの?」
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──私は今日から、高校生になるんだになる。
今さら昔の出来事を、思い返している場合じゃない。
 それはきっと、誰にだって訪れる当たり前のことなのに、今はまだ上手(うま)く信じられない。卒業式からひと月経っても、中学校を卒業した実感がない。思えば小学校を卒業したときもそうだった。いつまでも卒業の実感がないまま、いつの間にか中学生という環境に慣れていた。
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 いちばん綺麗なもの。それは丸くて、きらきらとしている。キャンディに似ているけれどもっとているけれどもっと綺麗な何か。どこにもない、世界で一番綺麗なもので、胸の中にしかない、目を開くともうみえないもの

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「でも、私の能力がなければ、貴方(あなた)貴方は奉仕クラブに入る必要がないはずです」
……
「それは君も同じだよ。僕たちの能力は、片方だけでは、価値のあるものじゃない
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「うん。僕はわりと、あの人が気に入っているんだ」
……
 「女性ですか?」
 と、春埼は言った。
春埼が首を傾げる。
「もう顔を合わせたのですか?」

 彼女の顔に、表情も変えずにはみつからない。それほど興味もないけれど、一応尋ねておこう、という雰囲気だ。
 首を振って、ケイは答える。
「いや、男の人だよ。
「君も会ったことがある
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「貴方がいるなら、私も奉仕クラブに入ります」
 それはいつも通りの、わかりきっていた返答で、ケイは笑顔を維持したまま内心でため息をついた
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「ケイ、春埼。芦原橋高校奉仕クラブに、ようこそ」
笑い方が悪役っぽいですよ、津島先生歓迎していただけるなら、光栄です
「ああ。お前らの能力があれば、いくらでも悪いことができそうだからな」
そういうことを、教師が言うのはどうなんですか?いかにも問題がありそうな発言ですね
さぁな。偉い人の前で言わなきゃ問題ないだろ大丈夫だろ。問題なんてのは、問題にしたい人間が作るもんだ


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「お前たちの仕事は、ただリセットして、過去の俺に今回の出来事を伝えることだけだ。それ以上は求めていない」
「ええ、わかっています」
「管理局の決定に逆らうのか?」
 彼の声にはどこか、断罪に似た響きがあった。おそらくは意図的に、そういう声を作っているのだろう。
「まさか。僕だって、管理局は正しいと思っていますよそんなつもりはないですよ
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「それならなぜどうして、まだリセットしていないんだ?」
「自己満足のようなものですよ」
 リセットすれば、世良がビー玉に入る前の世界が再現される。たとえば彼女が拾ったというビー玉を事前に回収すれば、彼女が今のような状況になることはないのかもしれない。それで問題が解決したともいえる。でも、あくまで、目にみえる物理的な問題が消え去るだけだ。
 無意識だったとしても、世良佐和子が能力を使った理由が必ずある。彼女がビー玉の中に閉じこもりたいと思った理由がどこかにある。管理局とは違う視点に立てば、そちらこそが問題の本質だと言うこともできる。

 リセットを使うなら、できるだけ誰かを幸せにしたい。誰かのためではない、今回だって、世良佐和子のためではない。それはケイはそのどちらも解決したい。物理的な問題も、世良佐和子の精神的な問題も。それは誰かのためではなくて、きっと、とてもエゴイスティックな理由で。できるなら、そうしたいと思う
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 そう考えて、津島は笑う。
 ──いや、むしろ想定通りか。あいつが何もかも理解しているのは。これくらいは、当たり前か
……
 管理局とは違った形で、問題を解決できるのかを、判断しなければならない。
 この街を管理するシステムが切り捨てたものを、拾い上げることができるのか?
 それを、見極めなければならない。


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貴女の胸の中には、綺麗なものが入っているから、綺麗なものを見つけて、それを好きになることができるのよそれと見比べて、綺麗なものをみつけることができるのよ
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「変、というのは、希少なものに対して使う言葉です。たくさんあれば、なんだって普通になります。そして希少なものはなんであれ、特別なのだと思いますと特別は、ほとんど同じ言葉のように思います

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「どうして、学校を気にするんですか? 貴女だって入学式をすっぽかしたのに」
 彼女は首を振る。
「あれは、違うの。あれは、私に、必要なことだったの」
「必要、というのは?」
 しばらく世良は、なにも答えなかった。
 彼女の沈黙の中に、ケイは葛藤を感じ取っていた。きっと彼女の中心に近い位置にある葛藤を。
 ケイは彼女の返事をじっと待っていた。四月の午前中の日差しは優しくて、たまには学校を休むのも悪くないなという気がした。授業で学べることと、青空を見上げて学べることはまったくの別物だけど、でもどちらにより価値があるというわけでもないだろう。すべては学ぶ方の問題だ。
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「バスに乗り遅れたのは偶然だよ。でも、このまま学校に行かなければ、どうなるのかな、と思ったの。だからそのまま、公園に行ってみたり、商店街に行ってみたり」
「それが、楽しかった?」
 彼女はしばらく躊躇ってから、首を振る。
「ううん。私は綺麗じゃないことをしてるんだって思った。なんかすごい罪悪感だっただからそれがとっても嫌だったんだ」
「学校を休んで、後悔した」
「違うよ。そのくらいのことで、真面目ぶって罪悪感を覚えているのが嫌だった
。私はもっと、適当に生きられるように、なりたかったんだ」
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 否定されたことが意外だったのだろう。世良は僅かにはわずかに目を見開く。
「どうして、そう思うの?」
「昨日、世良さんの、中学時代のクラスメイトと話をしました」
「え?」
「気分を悪くしたなら、すみません。でも、必要なことだったんだと思います」
「……それで?」
 世良はもうなにも言わず、じっとケイをみつめていた。
 ケイは続ける。

「色々な話を聞きました」
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「学校で食べるつもりだったんでしょう?」
 そう尋ねると、世良は小さく頷く。
「うん」
「ルールを破るために? 不真面目に慣れるために?」(动画版无)
……そうだよ。不真面目な方が、利口なの」(动画版无)
「でも、結局は食べられなかった」
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「でも貴女は、そちらの世界がよかったんですね? 噓だとしても、まだ入学式が始まっていない、貴女が遅刻していない世界に逃げ込みたかったんですね?」
 きっと、その程度のことなんだたったそれだけのことなんだ
 そんなことが理由で、彼女はビー玉の世界に囚われた。世良佐和子にとってそれは、無意識的に能力を使用するくらい、強い願望だった。
 彼女は長い間、なにも答えなかった。
 もうケイも、何も言わなかった。
 世良はやがて、息を吐き出して、それから諦めたように笑った。
「たぶん、君の言う通りだよ」

「ビー玉の中は、心地いいですか?」(动画版无)
 彼女はそっと、首を振る。
「ここは全部逆全部、逆さまなの……
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 ポケットの中には、棒つきのキャンディーが入っている。
 それはきっと、何か毒物のようなものなのだ。
 ただのキャンディだ。でも、劇薬でもある。世良の胸の中にある、ただ綺麗なだけで無価値なものを溶かすための毒物劇薬だ
 ルールを破れば、その綺麗なものは溶けてなくなる。そうすることが、今は必要なのだと世良は思う。
 ──だから今日私は、学校でキャンディを食べる。
 それは悪事とも呼べないような、小さなルール違反だ。こんな計画、人に知られれば、鼻で笑われるのだと思う。
 だが自分自身の意思で、ルールに反することが必要なのだ。そうしなければ、ならないのだ。

 なんだか馬鹿馬鹿しくて笑ってしまう。こんなの悪事とも呼べない、誰も気にしないような小さなルール違反だ。でもそうするためには、確かな覚悟が必要だった。それはこれまで大事に抱えてきた、綺麗なだけの重たいものを放り投げて、より効率的なものに手を伸ばす覚悟だ。
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 世良はそっと振り返る。そこに、バスの停留所で会あったあのビー玉を拾った男の子が立っていた。
 彼は言った。
どうかしたんですか大丈夫ですか?」
「え?」
「ずっと、それを睨んでいます」
 その男の子は、世良の手の中にある棒つきキャンディーを指した。

「なんだか、体調が悪そうだったから」
 顔をしかめていたから、そんな風にみえたのだろうか。
 世良はもう一度、棒つきキャンディーに視線を戻して、答える。
あのこれ。食べたいな、と思って」
 彼は平然と答えた軽い口調で言う
「それなら、早く食べればいいのに」
 その口調に、なんだか苛立つ悲しくなった。
 ──私がなにを問題にしているかなんて、誰にもわからないんだ。
「 そんなの当たり前のことなのに、でも少しだけ腹立たしくて、不機嫌な口調で世良は言う。
それは
でも、校則違反です」
……
「別に、どうでもいいことだと思います」
 彼はあっさりと頷いた。
「なら早く、そのキャンディーを食べてしまえばいい」
「……そうします」
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