あしたはひとりにしてくれ 小说

『とらドラ! 』シリーズや『ゴールデンタイム』など、ラノベ界のみならず、アニメ、マンガとのメディアミックスでも大きな成功をとげている筆者の最新作。

成績優秀で家族思いの高校生の瑛人には、人知れず抱えている秘密があった。それは、時々、たまらなく衝動にかられて、「くま殺し」をしてしまうこと――言葉にし難い苦しみに耐え切れなくなると、彼は、幼い頃から持っていたくまのぬいぐるみにその苦しみをぶつけ、徹底的に痛めつける。そのぬいぐるみは、ある場所に埋めて隠してあり、誰にも知られていない、はずだった。ある日、いつものようにくまを掘り出そうとした瑛人は、見つからないことに半狂乱になり、あたりをかまわず掘り返しまくる。すると、土の中から出てきたのは、半死状態の若い女だった――!

驚いた瑛人は、女を家に連れ帰る。家庭はパニックになるが、なんとかその場はおさまる。女も意識を取り戻すが、素性はわからないまま、ただ、「アイス」と名乗る。謎だらけの女だったが、なぜか瑛人は、彼女のことがほっておけない。そのまま居候することになった彼女と、瑛人一家の不思議な日々がはじまる。
少年の抱える焦燥感と、彼を見守る人々との騒々しくも温かい生活を、テンポよくユーモラスに、そして鮮やかに描いた感動作。