誰が私を殺したのか~青慈の場合~

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幾度でも、ワタシは愛故に殺される。

各界の令嬢令息が通う、瑞樹幼稚舎。
その中でも影響力を持つのは、保泉家、辻家、高円寺家、市松家の四家。
彼らは家族ぐるみで仲が良く、親同士も幼馴染の関係だった。

十五年前――そんな瑞樹幼稚舎で大事故が起きる。
奇跡的に生き残った児童は、主人公だけ。
遺された遺族は心に傷を負い、次第に精神を蝕まれていった。

壊れていく妻たちを見ていた夫たちは思った。
「愛を注ぐ対象を迎え入れよう」と。

ほどなくして、それぞれの家には養子が迎えいれられた。
引き取られた彼らには、唯一生還した主人公の世界が彩られるようにと、新しい名が与えられた。
かくして彼女の世界は優しく彩られ、幸福の内に終わると、誰もが信じていたが……。

誰かが言った。――「集められた理由から既におかしかったんだ。おかしくなるのは、むしろ自然だろう?」
誰かが問うた。――「知ってるか? 俺たちの色が混ざると、どんどん暗い色になっていくんだ。みんなに犯されたお前は、もう白くはなれないんだよ」
誰かが嘆いた。――「こんなこと、許されないと知ってる」
誰かが笑った。――「さて、今日も染めてあげよう。心配しないで、おかしくなっても愛してるよ」
誰かが呟いた。――「もう殺すしかない」と。


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