待ち合わせは学校終わりの夕方、近くの図書館。
違う制服の女の子が二人、肩を寄せ合いながらひとつの本を読む。
これが私たちの日課。
美しい顔立ち、上品な言動に、私はどんどん惹かれていった。
何故か、恋のような胸の高鳴りを感じていた。
「春なんて、こなければいいのに」
それは、苑香さんの「結婚したくない」という悲鳴だった。
そして気付いたのだ。
「なら、私と駆け落ちしませんか?」
私は、この人が欲しいのだと。
more...
違う制服の女の子が二人、肩を寄せ合いながらひとつの本を読む。
これが私たちの日課。
美しい顔立ち、上品な言動に、私はどんどん惹かれていった。
何故か、恋のような胸の高鳴りを感じていた。
「春なんて、こなければいいのに」
それは、苑香さんの「結婚したくない」という悲鳴だった。
そして気付いたのだ。
「なら、私と駆け落ちしませんか?」
私は、この人が欲しいのだと。