#1 - 2022-8-30 04:34
日立温 (迈向大和抚子之路)
「こいつは何を言っているんだ…」と思わせる馬鹿馬鹿しいことを真面目にやるコメディラノベ
2022年8月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コメディよりですが、ラブ要素もあります。感性的な勢いでは負けますが、既存のラノベなら「バカとテストと召喚獣」を連想しました。
マウンティングというマイナスな要素が、社会では必須で、上流階級の学校ではこれで成績上位となるバトルが必修である。
という現実にはありえないだろう「バカなことを大真面目にやる」ギャグ時空世界を作っています。
私は子どもの時の好きな漫画が「奇面組」とかでしたので、このての話がかなり好きです。
続きに期待したいです。特にコメディ作品は笑えて、読みやすくてで安定して読みたいジャンルです。

優秀な成績で卒業すれば100億もらえる学園に入学した主人公が、美人だけど変人で残念な彼女にキスをされ、付き合うことになり、
友人とともにマウンティングバトルで頂点を目指そうという話です。
もうなにいっているんだか(笑)という感じですが、作者さんは真面目に色々なマウンティングを勉強したようで、
ああこういうマウンティングあるよね、会社とかでウザいわとか共感します。
「生産性が悪い」とか偉そうに言う前に動いて働けやと思うものです。

コメディと書きましたが、会社や学校、地域と色々な場所でマウンティングをとる行いや問題はあり、
なんだかんだでそれをとれるかとれないかで居心地は変わるのが現実でもあり、
ギャグではありますが風刺かととらえることもでき、興味深い話でした。
続きをたくさん書くのは難しいかもしれませんが、個性的なキャラも登場していて、頑張ってバカテスのように長く見てみたいです。

最後に少しだけですが、ギャグ風味に味付けされていますが、ヒロインとのやり取りでニヤリとできたところを。

「月が綺麗ですね」は今では有名になった夏目漱石の「I love you」の和訳。
これの返事は色々なパターンがあるのですが、今回のヒロインの返しが、
「私(月)をつかまえて」で、つまり「reach the moon」又は「catch the moon」。
これらの言い方だと、「不可能や困難に挑戦する」「できないこと」になります。
ただし「~して」なので、行動を望んでいます。
つまり「好きです」の返事に、「不可能そうな難しいことに挑戦して」「私を射止めてみせて」と返したと考えられます。
主人公は気がついていないやり取りですが、メタ視点ではエモいやりとりです。