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#1 - 2019-9-26 01:18
(我们的夏天还没有结束)
原文地址:http://www.style.fm/as/13_special/mini_050910.shtml



『劇場版×××HOLiC 真夏ノ夜ノ夢』水島努監督インタビュー
《剧场版×××HOLiC 仲夏夜之梦》水岛努监督访谈

(1)「なぜ僕が呼ばれたのか」を考えました
(1)考虑着“为什么是叫我来呢?”

 公開中の『劇場版×××HOLiC 真夏ノ夜ノ夢』は、ホラーテイストと小気味よいギャグが解け合った快作だ。監督は『ジャングルはいつも ハレのちグゥ』や『撲殺天使 ドクロちゃん』でお馴染みの水島努。彼とCLAMP作品との取り合わせも意外だったが、彼がProduction I.Gで監督をするのも意外だった。だが、仕上がった作品は、CLAMP作品の魅力も、水島監督の個性も、そして、Production I.Gならではの豪華な画面作りも、堪能できるものだった。
现在正在上映的《剧场版×××HOLiC 仲夏夜之梦》是融合了恐怖元素与令人心情舒畅的幽默情节的快作。监督是以《热带雨林的爆笑生活》和《扑杀天使朵库萝》而被我们熟识的水岛努。他与CLAMP作品的搭配,以及在Production I.G担任监督一职都出人意料。不过,这部已完成的作品在表现CLAMP作品的魅力、水岛监督的个性、以及只有Production I.G才有的豪华画面制作方面,可以说是能够让观众尽情享受了。

●2005年9月6日
取材場所/東京・Production I.G
取材・構成/小黒祐一郎・岡本敦史

●関連サイト
『劇場版×××HOLiC 真夏ノ夜ノ夢』&『劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君』
http://www.holic-tsubasa.com/


PROFILE
水島努(Mizushima Tsutomu)
1965年12月6日生まれ。長野県出身。1986年に制作進行としてシンエイ動画に入社。『美味しんぼ』で初演出、その後、TV&劇場版『クレヨンしんちゃん』を演出。初監督作品『ジャングルはいつも ハレのちグゥ』で注目を集め、次いで、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』『嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ』を監督。2004年8月にフリーとなり、その後、OVA『撲殺天使 ドクロちゃん』、OVA『いちご100%』(構成・脚本)などを手がけている。
水岛努(Mizushima Tsutomu)
生于1965年12月6日。长野县出身。1986年作为制作进行进入SHIN-EI动画公司,在《美味大挑战》中首次担任演出,之后在《蜡笔小新》TV系列和剧场版中担任演出工作。首次担任监督的作品《热带雨林的爆笑生活》引人注目,后来又监督了《蜡笔小新 呼风唤雨!光荣的烤肉之路》和《呼风唤雨!夕阳下的春日部男孩》两部作品。2004年8月恢复自由身,在那之后制作了OVA《扑杀天使朵库萝》、OVA《草莓100%》(构成•剧本)等。


―― 今回の『劇場版×××HOLiC 真夏ノ夜ノ夢』では、水島さんはどのあたりからの参加になるんでしょうか。
―― 关于这次的《剧场版×××HOLiC 仲夏夜之梦》,水岛先生是从什么时候开始加入进来的呢?

水島 『×××HOLiC』という作品をやる事は決まっていて、メインスタッフもほぼ決定していた頃ですね。監督という立場ですが、かなり後の方で参加した感じです。
水岛  在《×××HOLiC》这部作品的制作决定已经下来后,主要staff也差不多决定好了的时候。站在监督的立场上来说,我感觉是很晚了才加入进来。

―― その段階で、映画のプランはどのぐらい進んでいたんですか。
―― 在那个阶段,电影的方案进展了多少呢?

水島 えーと、まだプロットができるかできないかぐらいの状況でした。でも、意外と入り込みやすかったですね。
水岛  嗯……还在差不多决定故事情节的阶段。不过,出乎意料的进展顺利呢。

―― 館を舞台にするというのは、すでに?
―― 那时候已经准备以大宅邸为舞台了吗?

水島 決まっていました。でも、決まっていたのはそれぐらいだけかもかもしれないですね。ただ、文章になっていなかっただけで、本当はもっと具体的なプランが、櫻井(圭記)さんと藤咲(淳一)さんには出来ていたのかもしれないですけど。とりあえず僕は、シナリオ打ち合わせの時には、大人しくしていました(笑)。「うんうん」と頷く感じで。
水岛  已经决定好了。不过,也许只有那一点是被定下来的。其实也说不定樱井(圭记)先生和藤咲(淳一)先生已经做出了更具体的计划,只是还没有以文章的形式写下来。总而言之,在讨论剧本的时候,我很老实的(笑)。一直点头说“嗯嗯”这样。

―― 内容について、意見は出さなかったんですか。
―― 没有关于内容提出意见吗?

水島 ちょこちょことは言いましたけど、基本的には「この人、なんでいるんだろう?」と思われるくらいに大人しくしてましたよ(笑)。
水岛  虽然我是说了一点话,但基本上是在默默想“我这个人为啥要在这里啊”,然后不做干涉(笑)。

―― 水島さん本人としては、最初、どのように取り組まれたんでしょうか。
―― 水岛先生您最初是怎样考虑处理这部作品的呢?

水島 まず、最初に考えたのは、「なんで呼ばれたんだろう?」という事でした(笑)。もし僕が必要とされているなら、I.Gの作風やCLAMPの世界観もふまえて、バランスを意識しなきゃいけないなと思いました。
水岛  首先,最初考虑的是“为什么是叫我来呢?”(笑)。如果觉得我是必需的话,我也就要有结合I.G的作风和CLAMP的世界观来维持平衡的意识才行。



―― 自分が呼ばれた理由を考えるところから、始まったわけですか。
―― 是从思考着自己被邀请的理由开始进行工作的吗?

水島 そうです。最初に原作をもらって、そこでまた、ちょっと混乱したんですよ。とんでもないスラップスティックなやつだったら、「なるほど」と思うんですけど。ホラーテイストだし、いろんな要素のある作品じゃないですか。そこで「これで自分は何ができるんだろう」という事は、最初に考えましたね。それで原作を読んでいくうちに、コミカルな要素もある事が分かって、そういうところでバランスをとっていけばいいのかな。そう思って作っていった感じです。
水岛  是的。刚开始一拿到原作,我又有点开始混乱了。如果只是一出热闹的故事的话,我就会很清楚该做什么了。但这不是一部有包括恐怖情节在内各种各样要素的作品嘛,这样一来,我只有先考虑好“这种情况下自己又能做什么呢”。于是在读原作的时候,我知道了有搞笑的要素,那么在这样的地方保持平衡就可以了吧。我就是这样考虑着做进行制作的。

―― シナリオ会議では大人しくしていたとおっしゃいましたが、仕上がったシナリオに関してはどう思われたんですか。
―― 您说您在剧本会议上没有做出干涉,那么对已完成的剧本怎么看呢?

水島 屋敷の中だから、窮屈な空間じゃないですか。どちらかと言うと、僕はそっちの方が得意なんですよ。舞台が外に広がるよりは、内でどう動くか、という方が作りやすいんですよね。だから、やりやすいと思いました。
水岛  因为是宅邸里面,也就是很紧凑的空间。不管怎么说,我还是挺擅长那种的。比起在外面的广阔世界的舞台,在内部如何活动的作品更容易制作呢。所以,我觉得是挺好做的。

―― ……えーと、さっきから、大変に控えめに喋っていますけど「俺様モード」とかで話さなくていいんですか。
―― ……那个,您从刚才开始就很谨慎地说话,用“本大爷模式”什么的不行吗?

水島 いやあ、「俺様」はないですよ(苦笑)、若いころならともかく。どこへ行っても、なるべく大人しくしていようと思っているので。
水岛  不,我没有这种模式(苦笑),年轻的时候先不提了。现在我其实无论到哪里都想尽量老实地待着。

―― (笑)。それは水島さんの性分なんですか。
―― (笑)。这是水岛先生的性情吗?

水島 うーん、基本的に僕は画が描けないんです。画が描けない人が、アニメ業界で俺様モードという事はないだろう、というのがあるんですよ。これは心からそう思うんですよね(笑)。シンエイでは、制作の人よりも描けなかったんですよ。会社の中で最もダメダメなので、「お気の毒な人」みたいに言われてました。
水岛  嗯,我基本上不会画画。不会画画的人,在动画业界不可能用什么本大爷说话方式吧,就是这样。现在的话是我打心底认为的(笑)。在SHIN-EI动画公司的时候,我是所有制作人员中画的最烂的,是公司里最没用的人,也被说成过“可怜的人”。

―― それについて御自身はどうだったんですか。
―― 那么关于这件事,您自己怎么想?

水島 しょうがないかなあ、と。
水岛   我觉得这也没办法啊。

―― いいんですか、それで(笑)。
―― 被这样说了也没关系吗(笑)。

水島 スタッフのチームワークがないと、何もできませんから。自分1人で暴れてたって、作品はでき上がらないじゃないですか。だから「仲よくしていこう」という方向で、これからもやっていくと思いますよ。
水岛  因为没有staff的团队合作的话,什么也做不了。就算我自己一个人闹脾气,作品也做不出来嘛。所以,在“和睦相处”的方向上,我想今后也会继续坚持下去的。

―― なるほど。
―― 原来如此。

水島 喧嘩の仲裁が、自分の仕事のひとつだと思ってるんです。それは現場の中だけの問題じゃなくて、外からの注文にどう応えるかという事でもあるわけですよ。そういう事が自分の仕事かな、と思ってるんですよね。
水岛  我认为也该把调解吵架当做自己的工作之一。这不光是现场的问题,外面发来的工作应该如何应对也是与此相关的。处理那种事是自己的工作吧,我是这么想的。

―― なるほど。『×××HOLiC』の話に戻りますが、シナリオができた後、それを映画としてどう成立させるかについて、どのように考えられたんでしょうか。
―― 原来如此。回到《×××HOLiC》的话题,关于在剧本环节结束后,如何将其作为电影来制作,您是怎么考虑的呢?

水島 コンテ描いてるうちに考えよう、ぐらいでしたね。
水岛  在画分镜的时候考虑,差不多这样吧。

―― (笑)。

水島 “有機物”にしたいな、とは思ってました。例えば建物の崩壊とかって作画的にもの凄くく大変なんですけど、そのわりには、あんまり観た人は感動してくれないんですよね。そういったものは、そのうちにCGでやるようになっていくと思うんですよ。作画の強みってやっぱり有機的なものだと思うので、最後はそういう方向にもっていこうと考えていました。
水岛  我想把它变成“有机物”啊。比如说,建筑物倒塌的场面在作画上是很辛苦的,即使如此,看的人却很少会在这种方面感动。我想这些东西不久就会完全被CG代替。但是我也觉得作画的优点果然还是有机的东西,所以最后打算朝着这个方向去进行。

―― それは、具体的な見せ方について?
―― 是关于具体的展示方法的选择吗?

水島 そうですね。つまり、クライマックスをどう見せるかという問題。
水岛  是的。也就是说,如何展示高潮的问题。

―― ああ、なるほど。
―― 啊,原来如此。

水島 普通に考えると、あの屋敷がガラガラと崩れていくスペクタクルをやる事になりそうですよね。だけど、それって作業的に大変なだけで、それほど面白くなるとは思えなかった。やりすぎるとスタッフが死んじゃいますしね(笑)。やっぱり人間が動いて、それで盛り上がっていく方が面白いと思うので、そっち方向がいいかなと。
水岛  一般来说,那栋宅邸会嘎啦嘎啦地崩塌掉,是要做这样一个豪华场面。但是,这只会让工作上变得很辛苦,并不觉得会显得很有趣。干得过头的话,工作人员会死的吧(笑)。果然还是人类在动的画面热闹起来会很有趣,所以我想还是往那个方向走比较好。

―― わりと趣味的と言うか、マニアックなテイストの映画に仕上がっていると思うんですが。
―― 与其说是趣味性的,我觉得制作出来的更是一部风味很狂热的电影呢。

水島 そうですかね(苦笑)。自分ではマニアックだとは思ってないんですけどね。あと、観客層に女の子が多い、というのはもの凄く意識しました。やっぱり「ちょっとキモ怖カワイイ」ぐらいの、そういうところを押さえていきたいな、という気持ちはありましたね。それと男の子向けではないので、やたら長いアクションシーンは入れない。だからクライマックスのアクションも、3分ないはずです。男の子向きの作品なら5分くらいやってあげたいし、それとは別に中盤で1回やっておいてあげないとダメかな、と思いますけど。
水岛  是啊(苦笑)。虽说我可不认为自己是一个狂人。还有就是,观众层中有很多女孩子,我很明白这一点。所以果然还是想抓住类似“虽然有点恶心恐怖但也可爱”的感觉吧。另外,因为不是面向男孩子的,所以不用进行长时间的动作场景。所以高潮动作场面也应该不到3分钟。我觉得如果是面向男孩子的作品的话,就该给做个5分钟左右,另外在中盘不热闹一次不行吧。

―― なるほど。
―― 原来如此。

水島 『ハレグゥ』は割と女の子のファンが多いんですよ。「そういったあたりはどうだったかなあ?」とか思い出しながら「でもよく分かんないな」みたいな(笑)。そんな方向でやっていきました。
水岛  《热带雨林》的女粉也格外的多哦,我一边回想着那时候是怎么做的,一边又觉得“还是想不明白啊”(笑)。朝着这个方向进行了制作。

―― ちゃんとキャラクターものの作品になってましたよね。ボケとツッコミとか。
―― 这部应该已经是典型人设的那类作品了吧。犯傻役和吐槽役什么的。

水島 ええ。そこらへんはね、散々やってきた部分なので(笑)。あとは、CLAMPっぽくしたいなあ、と。
水岛  嗯。这大概因为是我做过很多次的类型了(笑)。还有就是,想变得像CLAMP一样啊。

―― CLAMPっぽくですか。
―― 像CLAMP那样吗?

水島 もう自分ではCLAMPになりきるつもりでやったんですけど。違いましたかね?
水岛  其实我自己已经尽力向CLAMP的方向去做了。这样做不对吗?

―― いや、僕はあんまりCLAMP作品に詳しくないので(笑)。でも、CLAMPファンが求めるキャラクターのシャープさみたいなものは出てたんじゃないですか。
―― 不是,我不太了解CLAMP的作品(笑)。不过,CLAMP粉丝所追求的鲜明角色形象不是已经出现了嘛。

水島 それだったらよかった、という感じですね。
水岛  我觉得如果能那样就好了。

―― 人物の生身感が薄いところも。
―― 人物的生活感很薄弱的地方也是。

水島 生身感、ないですかね? まあ、確かにないか。そこまでは意識してなかったですけどね。それと当たり前ですが、「エグいギャグはやらない」というのも決めてました。ちょっとマイルドにしておこうというのは、かなり意識しました(笑)。
水岛  有没有生活感呢?嘛,好像真没有。不过我没有意识到这一点。虽然是理所当然的,但也决定了"不做恶趣味的搞笑”。有意识地把搞笑情节设计得温和一些(笑)。

―― 『ハレグゥ』とか『しんちゃん』のギャグは、エグいんですね?
―― 《热带雨林》和《蜡笔小新》里的笑话都是比较恶趣味的吧?

水島 そうです。
水岛  是的.

―― あるいは『(撲殺天使)ドクロちゃん』とか。
―― 或者《扑杀天使朵库萝》那样的。

水島 あれは最もそっち方向の、行き着いたところですね(笑)。
水岛  那是放飞得最远的了 (笑)。



―― 美術やレイアウトがああいった凄いものになるというのは、最初の段階で分かっていたんですよね。
―― 美术和Layout做得那么好,在最初的阶段就能看出来了呢。

水島 僕はこれまで、動く事が大前提のアニメ、作画の動き主体のものばっかり作ってきました。だけど、今回は(美術や設定に)凄い人がいっぱいいる事もあって、美術を見せる事をかなり意識しました。「背景をじゃんじゃん見せるぞ」とか、「かっこいいアングル見せるぞ」とか。ただ、「どうだ!」と言って見せるのではなくて、さりげなくしようとは思ってました。
水岛  至今为止我都是在做以动作场面为大前提的动画、完成了很多以动起来的画面为主体的作品。但是,这次(美术和设定上)有很多非常厉害的人,所以意识到了美术也该展示展示。"可以看到很多背景画哦",或者“可以看到很帅的视角哦”这样的感觉。不过,我并不是要以"快来看怎么样啊!"地给别人看的气势,而是想装作若无其事的样子暗暗炫耀。

―― コンテは早めに上がったんですか。
―― 分镜有尽早完成吗?

水島 いやあー、引っ張っちゃいましたよ(苦笑)。メチャメチャ引っ張っちゃいました。昨年の12月中旬にインして、4月1日にアップしました。四月一日(「ワタヌキ」と読む。主人公の名字)と同じ日に。
水岛  哎呀——我拖延了(苦笑)。非常过分地拖延了。从去年12月中旬开始,到4月1日才完成。也是四月一日(读作“watanuki”的主人公的名字)呢。

―― なるほど、狙ったんですね。
―― 原来如此,瞄准了这个时间吗。

水島 いやいや(笑)。狙ってはいないんですけど、「4月1日を越えちゃマズイ」とは思ってました。そういう意味では狙ってるかもしれないですが。
水岛  没有没有(笑)。虽然没有刻意,不过我是想着“超过4月1日就不妙了”。也可能是在瞄准这个意义上的目标吧。

―― 公開が夏だから、作画を考えると、そのくらいに上がらないとマズイという事ですね。
―― 因为是夏天公开,所以考虑到作画的话,进度超过那种程度就糟糕了。

水島 ただ、相当に遅らせちゃっていたので、「ちょっとずつでも必ず出す」というのは自分の中で決めてました。最低でも毎週、できれば3日にいっぺんずつコンテを出していく。だから、もの凄い細切れで出して、作画打ち合わせもじゃんじゃんやる、みたいな感じですね。
水岛  只是,因为已经相当的推迟了,所以自己在心里做好了“即使只完成了一点点也马上拿出来”的决定。至少要每周,最好是每三天上交一次分镜。所以把工作切割到如此细碎的过程,作画会议也能顺利进行下去了,差不多就是这样。

―― なるほど。
―― 原来如此。

水島 あと、大変なシーンは絶対に最後に残さない、というのも決めてました。最初にドアタマを描いて、次に真ん中を描いて、次にラストの戦いを描いて。で、あんまり大変じゃないところを残しておく。そうすると尺調整もできるんですよ。そうやって、かなりバラバラに描いていきましたね。最後に描いたのは、コレクターたちが消えていくというところだったかな。いちばん最初に描いたのがアバンで、その次は四月一日が化粧室を探して(館の中を)彷徨うところ。そこを描き終わって、コレクターの部屋。で、クライマックスを描きましたね。そうやっていかないと、自分も疲れていって、クライマックスをやるあたりで元気がなくなっちゃったりするんで。そんな経験が今までにあるので、元気のいいうちに、元気のいいところを描こう! というところですね。
水岛  还有就是,我们也计划好了绝不能把很辛苦的场面留到最后再做。先画最开头的部分,接着画正中间的剧情,接着画最后的战斗部分。于是,留下些不太困难的地方,这样一来可以进行尺度的调整,这样做的话就能各自按部就班地进行下去。最后画的是收藏家们消失的场景吧。最先画的是开场(注:アバン,特指动画在OP或者说标题出来之前的部分),然后是四月一日因为寻找洗手间而(在馆中)徘徊的地方。画完那里后就是收藏家的房间。之后就是高潮部分了,因为如果不这样做的话,自己也会很累,在做到高潮的时候就会精疲力竭了。因为到现在为止一直经历着这样的经验,所以趁着我们还有热情的时候,画出有朝气的地方吧!就是这样的意思。

―― さすがですね。それはアニメーターさんの作業効率も考えて、という事ですね。
―― 真不愧是你。这是考虑到动画师的工作效率,对吧?

水島 そうですね。特に、クライマックスを残すのは犯罪ですから。そこはなるべく最初にやっておかないといけない。でも、クライマックスのコンテを上げたのは、2月だったかなあ。
水岛  是啊。尤其是把高潮场景留到最后简直是犯罪,所以那里要尽量先完成。只不过,高潮场景的分镜完成的时候,好像已经是2月份了吧。
#2 - 2019-9-26 01:22
(我们的夏天还没有结束)
『劇場版×××HOLiC 真夏ノ夜ノ夢』水島努監督インタビュー
(2)キャラクターは14等身ぐらい?
(2)角色人设有14头身左右?

―― 美術設定なんですが、先に上がってきた美術設定をコンテに取り入れたりしたんですか。それとも、コンテが先で、コンテから設定を起こしていったんですか。
―― 关于美术设定的话,是先完成了美术设定然后根据这个画分镜呢,还是先画好了分镜再进行设定呢?

水島 両方あります。四月一日が化粧室を探して彷徨うあたりは、最初から渡部(隆)さんが起こしてくださって。それをそのまま使わせてもらいました。内側に向いたような障子がある部屋とか、変な魚が部屋の真ん中の池にウヨウヨしてるとか。あのシークエンスに関しては、コンテから起こしたところは、そんなにはないんじゃないかな。ちょっと変更したところとしては、神社の境内みたいなところが室内という設定だったんですけど、それをコンテの段階で外にした、とかはありますけど。それは雨が欲しかったというのと、外には出たけど(館からは)出られないという、そんな感じが欲しかったからなんです。(畳が六方を取り囲んだ)和風「CUBE」と、狭いところは自分のコンテが先かな。狭いところは『しんちゃん』でも散々やってるんですけどね、今回もやってしまいました(笑)。あれは「新耳袋」のエピソードからイメージを頂いてるんです。
水岛  两种都有。四月一日为了寻找洗手间而徘徊的那段,就是渡部(隆)先生在开始先提出的设计,然后直接使用了。设有朝内侧的拉门的房间,还有奇怪的鱼在房间中间的池塘里游荡之类的。这样一想关于那个顺序中,分镜先于美术设定的好像不是很多。还有稍微变更的地方,像神社的院内那样子的地方被设定为室内,这里也是在分镜之外做的设定。那是因为想要下雨的话,虽然(从房间里)出去了,但是(从馆里)不能出去,所以想要这样的感觉。(六面都被榻榻米包围的)和风“立方体”,狭小的地方是我自己画的分镜。狭窄的地方在《蜡笔小新》中也经常做,这次也做了(笑)。那是从《新耳袋》(注:《新耳袋》是日本灵异作家木原浩胜与中山市朗写的恐怖怪谈小说)其中一节故事中得到的印象。

―― どれですか。
―― 是哪一个故事?

水島 第1巻の、家を改築してたら地下室の下から、畳と白壁の無駄な空間が出てきたという話。その大きさのイメージをいただいて、通路にしちゃいました。あれ、凄く怖い話ですよね。何に使われたのか分からないし、出口がないというのが。
水岛  第1卷,在改建房子的时候,地下室下面出现了榻榻米和白墙的无用空间。那里给我了这个大小的形象,就在如今用上了。说来这个是很可怕的故事啊,不知道它用来干什么,也没有出口。

―― 『しんちゃん』でやった狭い場所というと?
―― 说起《蜡笔小新》的狭小地方的话?

水島 『しんちゃん』はですね、(しんのすけが)やたらと狭いところに行きたがるんですよ(笑)。
水岛  《蜡笔小新》呢,(新之助)非常想去狭小的地方(笑)。

―― ああー、『(クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!栄光の)ヤキニクロード』の配管内の追っかけとか。
―― 啊,像《蜡笔小新 呼风唤雨!光荣的烤肉之路》的管道内部的追赶这样。

水島 そうですね。とにかく、狭い空間はさんざんやった覚えがありますね。『(クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!モーレツ)オトナ帝国の逆襲』のデパートで狭い場所に隠れてヒロシに見つかるところとか、『(クレヨンしんちゃん)嵐を呼ぶジャングル』の牢屋代わりのロッカールームとか。いつも狭いところを出したくなっちゃうんですよ。
水岛  是啊。总而言之,我记得在狭小空间的场景我做过很多了。在《蜡笔小新 呼风唤雨!大人帝国的反击》百货商店里隐藏在狭小的地方被广志发现,还有《蜡笔小新 森林里的暴风雨》的代替牢房的更衣室之类的。总是想把狭小的地方拿出来用。



―― 今回、手足のやたら長いキャラクターなので、狭い場所にいる画がなおさら効果的で、面白かったですね。
―― 这次因为是手脚非常长的角色,所以在狭小的地方的画面更有效果,很有趣呢。

水島 わざと「長い手足を狭いところで絡ませてみよう」という考えはありましたよね。
水岛  故意有“试着在狭小的地方缠住长手脚”的想法。

―― キャラクターデザインは、いかがでしたか。
―― 您对角色设计怎么看?

水島 ああ、慣れました。
水岛  啊,我习惯了。

―― 「慣れました」ですか(笑)。プロポーションの事ですね。
―― “习惯了”吗?(笑)是说身体长短的事吧。

水島 ええ、慣れました。最初にもらった時は「手足が長い」というイメージはなくて、「顔がちっちゃい」という……まあ同じですけど。「顔がちっちゃいなあ」というところと「どうやったら歩くんだろう?」という事で、まず悩みましたね。でも、「まあいいや、普通で」と思って、普通にやっちゃいましたけど(笑)。(フレームから)足を切ると、あんまり気にならないんですよね。
水岛  是的,我习惯了。最开始收到工作委托的时候,我根本没有“手脚很长”这种印象,不如说是“脸很小”……其实也是一个意思。“脸好小啊”这种事情让我烦恼起来“该怎么让人物走路呢?”。想着“不管了,就普通地做吧”,就很平常地去做了(笑)。(从画幅之外)把腿切掉的话,也就不会太在意了吧。

―― 座ってたりすると、そうでもないですよね。
―― 坐下来的话,应该也不会引人注意吧。

水島 そうなんですよね。で、細いキャラだけど、現実の周りのものは普通の世界と同じなので、そこらへんが不自然にならなければいいな、とは思っていました。
水岛  是的。那么,虽然是纤细的角色,但现实周围的东西和普通的世界一样,如果在这部分没有不自然就好了,我是这样想的。

―― やっぱり、水島さんから見ても、黄瀬(和哉)さんのキャラクターデザインというのはインパクトのあるものだったんですね。
―― 果然,在水岛先生看来,黄濑(和哉)先生的人设还是很有冲击力的。

水島 いやあ、びっくりしましたよ! 「どっひゃー」って。でも、それと同時に、面白いと思えたんです。それを動かす事に興味が持てたので、「よし、行ってみよう!」という感じですね。
水岛  哎呀,简直是吓我一跳!我简直哇地一声叫了出来。但是,与此同时我也觉得很有趣。对于让这样的形象动起来也有了兴趣,然后就是“好,我们就这样做吧!”。

―― アニメーターの知り合いで、黄瀬さんのデザインを見た人から、「設定がかなりイケてたよ」という話は聞いていたんですよ。本編を観て「なるほど!」と思いました。
―― 我从看到过黄濑先生的设计的相熟的动画人那里听说了“设定相当帅”这样的话呢。看了正篇之后才明白过来“原来是这样!”。

水島 私は、今までやっていたのが2頭身のキャラだったので……。
水岛  我呢,因为到现在为止做的都是2头身的角色……

一同 (笑)。

水島 2頭身から10何等身に、劇的に変わって(笑)、とても面白かったですね。
水岛  从2头身到10几等身,戏剧性地改变了(笑),非常有趣呢。

―― あれ、12等身ぐらいあります?
―― 咦,有12等身吗?

水島 14等身ぐらいあるんじゃないですかねえ。
水岛  大概有十四等身吧。

―― ああ、凄いッスね。やはり、原作のエッセンスを活かしたデザインという事なんですか。
―― 天啊太厉害了。果然,这是活用了原作精华的设计吧。

水島 当然そういう事です。黄瀬さんは、さすがですよね。
水岛  当然是那么回事。真不愧是黄濑先生啊。

―― しかも、堂々としてるんですよね。画面から「いいのかな、これで?」みたいなオーラが出てない。「こうだろう!」という描き手の自信が、映像に満ちているところが素晴らしい(笑)。
―― 而且还是堂堂正正的呢。从画面上看,不会给人种“这样能行吗?”担心的气场,而是“这样如何!”的画师的自信充满了影像,真是太棒了(笑)。

水島 黄瀬さんって、本当にどんな事でもできるんですね。キャラ表もそうなんですけど、作画でも、デフォルメの具合を凄くこだわってくださったので、それが嬉しかったですね。こう言ってはなんですけど、黄瀬さんがそういう仕事をするというイメージはなかったんですよ、
水岛  黄濑先生真的是什么事情都能做啊。不仅角色表这个样子,作画中他也非常注重变形的情况,真让人开心啊。虽说如此,我还真没有黄濑先生会做那样工作的印象啊。

―― ほとんどのファンも、そう思ってますよ。
―― 几乎所有的粉丝都这么认为。

水島 だけど、リアクションをする四月一日のデフォルメには、もの凄くビシッと修正が入ってて。凄くこだわってもらった感じですね。
水岛  但是,做出反应的四月一日的变形也做了很多修正,感觉很讲究啊。

―― デフォルメのカットで、黄瀬さんの修正が入ったのは芝居についてですか。
―― 在变形的镜头中,黄濑先生的修正是关于演技的吗?

水島 表情、芝居、全てですね。動かし方に至るまで。
水岛  表情、演技、全部都有,运动的方式也是。

―― 序盤で、アヤカシにまとわりつかれた四月一日がドタバタする時に、手がいっぱい見えるっていうのがあったじゃないですか。あれは凄かったですね。
―― 在开始,被妖怪缠住的四月一日动得慌乱一团的时候,不是有能看到很多手的一幕嘛。那一幕可真了不起。

水島 ああー! あれは宮澤(康紀)さんという原画の方が描いてくれたんです。3コマで、つまり普通のコマ打ちで、手がいっぱいある(笑)。
水岛  啊!那是宫泽(康纪)先生担任原画的。用一拍三的方式拍摄的——也就是普通的拍数分配(注:24格是1秒,一拍三即一张画面停留3个1/24秒),能看到很多手(笑)。

―― 早く動いてるからたくさんに見えるんじゃなくて、本当にいっぱいあるみたいに見えるという(笑)。
―― 不是因为动作快所以看起来好多,而是看起来好像真的有很多(笑)。

水島 ええ、あれは面白かったですね。宮澤さんはいちばん最初に打ち合わせをして、冒頭のシーンを描いていただいたんですけど、最初の打ち合わせから、制作の最後までやっていただいて。ずーっと、楽しいものを見させてもらいましたね(笑)。
水岛  嗯,那里很好玩。宫泽先生在第一次会议的时候就画了开头的场景,从最初的商讨开始,一直到制作结束。一直一直,都让我看了好玩的东西呢(笑)。

―― 最初に道を歩いてて、アヤカシに乗っかられているというところも、宮澤さんなんですね。
―― 最初走在路上,被妖怪乘着的地方也是宫泽先生画的吧。

水島 そこも宮澤さんです。最初と、それからもう1回アヤカシが来て、ドンッと壁に手をつけるとヒューッと抜けていくところも宮澤さんです。最後の方で四月一日が(屋敷の吹き抜けで)少女に落とされますよね。あそこも宮澤さん。そうそう、一原だけですけど(屋敷内の)狭いところで手足が絡まってるところもそうでした。
水岛  那里也是宫泽先生。在刚开始以及后来妖怪又来了一次,手一贴在墙上,妖怪就突然剥离的地方也是宫泽先生。最后四月一日被小姑娘(从房子的走廊上)打落吧?那里也是宫泽先生。对,还有虽然只是第一原画,(宅邸内的)狭小的地方手脚缠在一起的地方也是这样。

―― じゃあ、わりと愉快な芝居を中心に。
―― 那么,是以相当愉快的演技为中心。

水島 ええ。宮澤さんが描いたところは、宮澤ワールドになってますね。
水岛  是的。宫泽先生画的地方是宫泽世界。

―― 他に活躍の目立ったスタッフというと、誰になるんですか。
―― 说到其他活跃的工作人员的话,会有谁呢?

水島 まあ、もちろん大平(晋也)さん、沖浦(啓之)さん。あとは松田(勝巳)さんですかね。沖浦さんと松田さんはクライマックスの侑子が歩くシーンで、タッグのような感じで。
水岛  嘛,当然是大平(晋也)先生,冲浦(启之)先生。还有就是松田(胜己)先生吧。冲浦先生和松田先生是担任高潮场景中侑子走路的场面,他俩像搭档一样的感觉。

―― 沖浦さんの前後が松田さん?
―― 冲浦先生的前后是松田先生吗?

水島 前ですね。前の部分をやってもらいました。
水岛  是前面。我请他做了前面那部分。

―― 沖浦さんは、クライマックスの、手前に向かって侑子が走ってくるあたりですよね。
―― 冲浦先生的部分,是高潮场景中,面前的侑子跑过来的时候吧。

水島 ええ。あそこと、(四月一日と百目鬼が)屋敷のベッドルームに向かうところを、やってもらいました。沖浦さんのギャグも、効いてますよね。
水岛  嗯。做了那里,以及(四月一日和百目鬼)去宅邸的卧室的地方。冲浦先生的搞笑手法也很有效呢。

―― 沖浦さんの作画が、今回、最も異質だと思ったんですけど。
―― 我想冲浦先生的作画这次是最不一样的。

水島 え、そうですか!?
水岛  诶,是吗!?

―― どちらかというと硬質な感じの世界の中で、ひとりだけ躍動感のある肉体を描いている。胸とか揺れていたので驚きました。
―― 不管怎么说在硬质感的世界里,只有一个人描绘着有跃动感的肉体。胸部摇动起来这样的地方让我吓了一跳。

水島 ああー、そうですね。ただ、ちょっと考えていた事があるんですよ。CLAMPの世界観の中では、侑子ってあんまり動かないキャラなんです。で、誰が見てもびっくりする事をさせたい。だから煙がブワッとなって、次に侑子の姿が見えてきたら侑子が走ってる。もうそれだけで、原作を読んでいる人はびっくりだと思うんですよ。「侑子が走ってるよ、おい!」っていう。だから、あそこは躍動感が欲しかったところなんです。
水岛  啊,是啊。只是这也是我有些加以考虑过的。在CLAMP的世界观中,侑子是不怎么动的角色。于是,为了做出让别人看到都能吓一跳的场景,我让烟气暴涨,接着才看到侑子的身影,这样表现在奔跑着的侑子。我想只有这样,读过原作的人才会大吃一惊,“侑子在跑呢,喂!”。所以,那里是想要有跃动感的地方。

―― ああ、じゃあちょっと異質な感じなのは、演出的にも正解なんですね。
―― 啊,那么感觉有点异质的地方在演出上也是正确的。

水島 そうです。この先、もしこの後に『×××HOLiC』の映画が10本作られても、侑子が走ったのは1作目のみになるでしょう(苦笑)。侑子のイメージとしては、あれは反則に近いですね。だから、作画的にも驚くものになっていた方がいいんです。あそこで精霊が腰を抜かしてるじゃないですか。そのぐらい不思議な事なんだと思います。
水岛  是的。不过,假如之后制作了10部《×××HOLiC》的电影,那么侑子就只有第1部在奔跑了(苦笑)。作为侑子的印象,那个很接近犯规呢。所以,从作画上说也应该感到惊讶。那里不是有精灵被吓得不行的地方吗?我认为就是这样不可思议的场景。

―― 松田さんが担当されたのは、具体的にはどこを?
―― 松田先生负责的,具体是哪里呢?

水島 侑子が精霊に向かって歩き出して、どんどん攻撃が激しくなっていくところですね。カット数的に言うと、沖浦さんと松田さんが半々ぐらいじゃないかな。
水岛  侑子向着精灵迈出步伐,攻击变得越来越激烈了的地方。从镜头数上来说,冲浦先生和松田先生大概各占一半吧。

―― じゃあ、沖浦さんは走り出すところから?
―― 那么,冲浦先生是从跑开始?

水島 いや、もうちょっと前からなんですけど。意外と上手く、分からないように切り替わってますね。
水岛  不,要更前面一点。出乎意料的做的很出色,让人无法理解啊。

―― で、大平さんはその前の、ウサギが出てくるイメージ的なシーンですね。
―― 那么,大平先生是在那之前,兔子出来的形象的场景。

水島 そうですね。
水岛  是的。

―― 今回驚いたのは、大平さんの作画が浮いてない! という事でして(笑)。
―― 这次令人吃惊的是,大平先生的作画没有飘起来!(笑)

水島 大平さんの原画もよかったですよね。大平さんも、最近は有機物をあまりやってないんじゃないですかね。
水岛  大平先生的原画也很棒。大平先生最近是不是也不怎么做有机物呢。

―― なるほど。あのあたりが、さっきおっしゃった“有機物的なクライマックス”なんですね。
―― 原来如此。大平那一段就是刚才说的“有机物的高潮场景”吧。

水島 そうですね。それがCLAMPの世界に合うのかどうかは分からないんですけど、原作でもキツネとか出てくるので、まあアリかなという事でやってみたりしました。
水岛  是啊。虽然不知道那个是否适合CLAMP的世界,但是原作中也会出现狐狸之类的形象,所以我想大概也行吧就尝试了一下。

―― で、橋本晋治さんの原画が、コレクター達がメタモルフォーゼするところですね。
―― 桥本晋治先生的原画是收藏家们变形的地方吧。

水島 そうなんです。橋本さんに描いてもらえたのは、ちょっとだけだったんですよね。あそこは、本当はパパパパッと見せるつもりだったんですけど、橋本さんがやってくれると聞いた途端に、尺を全部倍にしました(笑)。
水岛  没错。桥本先生画的只有一点吧。那里,我本来是打算哗哗地翻着看完的,不过听说是桥本先生画的时候,就加倍注意地又看了一遍(笑)。

―― じゃあ、橋本さんはあの場面だけ。
―― 那么,桥本先生只有那一幕。

水島 ええ、そうです。コレクターだけでなく、百目鬼とかも変な顔になってたところが、面白かったなあ。後ろの方で「どうした?」って(四月一日に)言いながら、モグモグモグモグ。百目鬼はオイシイですよね、無口な食いしん坊(笑)。滅多にないキャラクターなので、やっていて楽しかったですよね。
水岛  嗯,是这样的。不仅是收藏家,连百目鬼都露出奇怪的表情,真是有趣啊。在后面向(四月一日)询问 “怎么了?”,咕哝咕哝咕哝地说着(声音模糊不清)。百目鬼这人真方便啊,沉默寡言的贪吃鬼(笑)。因为是很少有的角色,所以做他的部分很快乐呢。



―― おそらく「館」の話というプロットが考えられた段階から、予想された事だと思うんですけど、やはりI.Gライクと言うか『INNOCENCE』的なところのあるフィルムになりましたよね。
―― 大概是从“馆”的故事情节被考虑的阶段开始,我就这样想了,果然还是有“I.G味”的“无罪”(注:IG社2004年的动画电影《攻壳机动队2 无罪》)风格的影像吧。

水島 “リーズナブルな『INNOCENCE』”って感じですかね。
水岛  是“理性般的‘无罪’”的感觉吗?

―― いや、俺は“ギャグ入り『INNOCENCE』”だと思ったんですけど(笑)。
―― 不,我觉得是搞笑版“无罪”呢(笑)。

水島 そういうスタッフが集まっているから、そうなるのは当たり前だし、I.G色っていうんですかね? そういう画でこの映画を観たいなと、まるで素人みたいに思っていたので、「よかった、よかった」という感じですかね。
水岛  因为聚集了这样的工作人员,所以变成那样是理所当然的,这也就叫做I.G味吧?能在这部电影里看到那样的画面,我觉得对比之下我简直是外行人一样,所以感觉“太好了,真是太好了”。

―― こういう構図を作れば、こんな画面ができるのかな? みたいな。
―― 有了这样的构图的话,就能做出这样的画面吗?类似这样的想法。

水島 ええ。「いやー、『INNOCENCE』みたいな背景が上がってくるのかなあ、ワクワク」という感じでしたね(笑)。
水岛  是的。“哎呀,会不会用上像‘无罪’一样的背景呢,感觉好兴奋啊”(笑)。
#3 - 2019-9-26 01:29
(我们的夏天还没有结束)
『劇場版×××HOLiC 真夏ノ夜ノ夢』水島努監督インタビュー
(3)このクオリティで、あのツッコミが!
(3)对着这种质量用那个吐槽模式!

―― じゃあ、コンテの話を。一応ホラーものじゃないですか。しかも、ああいうかっちりした画面なのに、やっぱり水島さんらしいギャグとか、トリッキーな感じとかがちゃんと出てましたね。
―― 那么,我们来谈谈关于分镜吧。这姑且还是个恐怖片吧。而且,明明是那种严密精细的画面,果然还是出现了水岛先生的搞笑、诡计之类的感觉啊。

水島 そうですかね? 今回、どれだけ自分を抑えるかというところは、かなり気をつけたんですよ。
水岛  是吗?这次,在怎样控制自己这一点上,我可是相当注意的哦。

―― 抑えたんですか。
―― 控制住了吗?

水島 ええ。もちろん、「なんで呼ばれたか」という事を考えると、ある程度は必要だったんですけど。あんまり(自分を)出さないように気をつけなきゃな、と。
水岛  是的。当然,考虑到“为什么是叫我来”,在某种程度上是有必要的。多加小心,别太出风头。

―― おそらく多くの『ハレグゥ』ファンは、ツッコミのタイミングに懐かしさを感じたというか、「あのツッコミをI.Gの映画で観られるとは!」みたいな感慨があったと思うんですが(笑)。
―― 恐怕很多《热带雨林》的粉丝都感受到了熟悉的吐槽时机,“在看I.G的电影时干那个吐槽的事!”!?(笑)。

水島 「あのクオリティで!」。
水岛  “用那个质量!”。

―― 「このクオリティで、あのツッコミが!」(笑)。
―― “对着这种质量用那个吐槽模式!”(笑)。

水島 だけど「こんなクオリティで、まだ同じ事やってるよ!」と言われるのが怖くて。
水岛  但是我也怕被说成“以这样的质量,怎么还做着同样的事呢!”。

―― 怖かったんですか。
―― 你害怕吗?

水島 ギャグってやっぱりすぐ古くなるんで、気をつけていかなきゃいけないし。多分、同じ事は長くできないと思うんですよ。いちばん大切なのは、この業界で長続きする事だと思うので、飽きられないように。
水岛  搞笑还是很快就会变过气的,得小心点才行啊。也许,一直做同样的事情是不能长久的。最重要的是,我想到我还要在这个行业里持续很长时间,希望不会被感到厌倦。

―― 大切な事って、自分にとって?
―― 对于自己来说是重要的事情吗?

水島 そうです。60歳までこの業界にいられたらいいなと思います。出来れば65歳まで。それは水島精二さんとも話したんですけど。
水岛  是的。希望能在这个行业待到60岁就好了。尽量到六十五岁。那个我和水岛精二先生也谈过的。

―― つまり「ダブル水島監督」の願いなんですね。60歳まで業界で仕事をしよう(笑)。
―― 也就是“双水岛导演”的愿望吧。到六十岁为止一直在业界坚持工作(笑)。

水島 ええ。「ふたりの目標:長続きする事」って(笑)。
水岛  嗯。“两个人的目标:要长久地持续下去”(笑)。

―― 夏の劇場でぶつかり合った、ダブル水島の願いが、そんな事だったとは(笑)。
―― 没想到在夏天的剧场版相撞的双水岛的愿望竟然是这样的(笑)。(注:水岛精二的钢炼剧场版在同年夏天上映)

水島 この前、兄貴の映画(『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』)を観に行こうとしたら、立ち見だったので帰ってきちゃいました。
水岛  之前,我去看了大哥的电影(《剧场版钢之炼金术师 征伐香芭拉的人》),我站着看完了,之后就回家了。

―― え、精二さんの事を兄貴って呼んでいるんですか。
―― 诶,你叫精二先生大哥吗?

水島 いや、お互いを「兄貴」って呼んでるんです。このあいだ、『ドクロちゃん』のネットラジオで「精二の兄貴が」と話をしたら、みんな、兄弟だって信じちゃったみたいで(笑)。
水岛  不,我们互相称呼“大哥”。前些日子,我在《扑杀天使》的网络广播上说了“精二大哥”的话,好像大家都相信我俩是兄弟了(笑)。




―― 今回、対象年齢はいくつぐらいを考えてたんですか。
―― 这次,你考虑的观众对象年龄是多少?

水島 中学生・高校生かなあ。同時上映の『ツバサ(『劇場版 ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君)』もあったので、小学生が観に来るのも分かっていました。で、実際に公開したら(客層に)予想外にちっちゃい女の子もたくさんいたんです。それは考えていなくて、ちょっと怖くし過ぎたかな、とも思ったんですよ。『×××HOLiC』は脅かしが多かったから、小さい子には、ちょっと可哀相だったかもしれないですね。小学生ぐらいなら大丈夫だと思うんですが。小さい子が来るのが分かっていれば、もう少し抑えたかも。
水岛  初中生或者高中生吧。我知道同时上映的《翼》(《剧场版翼•年代记 鸟笼国的公主》)中也有小学生会来观看。然后,如果实际公开的话,(在顾客层)出乎意料的年龄很小的女孩子也很多。那里我还没考虑到,一想到这一点我就觉得这也太可怕了吧。《×××HOLiC》有很多吓唬人的场景,对小孩子来说,可能有点可怜吧。虽说小学生的话大概也没问题。如果知道孩子会来的话,我也许会更压抑一些。

―― 中盤は、確かに怖かったですよね。
―― 故事中盘确实很可怕啊

水島 ダビングで「もっとダーンと行こう」とか言って、派手に音をつけて、後で油断して自分で引っ掛かったりしたんですよね(笑)。「わあ、びっくりした!」って。
水岛  在音画合成时我说了“再多加点音效吧”之类的话,用了一些夸张的声音,之后自己却不小心上钩了(笑)。说出“哇,吓死我了!”。

一同 (笑)。

水島 『×××HOLiC』では、脅かしの後に面白い顔の四月一日を入れるというのがルールでしたから、あれで少し和ませようと思ってたんだけど。多分ちっちゃい子だと、和むどころじゃないですよね。逆に四月一日の悲鳴で、恐怖が倍増しちゃうかもしれない。そういえば、あそこはあんまりウケなかったな……。少女が窓からドン! と現れた時に、四月一日が逃げりゃいいのに、カーテン閉めるじゃないですか(笑)。凄く無駄な事をやってるんですよね。あれはウケるかなと思ったら、全然ウケなかったですね。
水岛  《×××HOLiC》中,在吓人情节后面加入四月一日的有趣表情是规则,也是想用那个稍微缓和一下呢。不过大概对于小孩子来说并不适合。相反的,四月一日的惨叫也许会使恐惧倍增。说起来,那里好像不怎么讨人喜欢……少女从窗户后面咚!地出现的时候,四月一日逃走就好了,怎么还跑去拉上窗帘了(笑)。做了些很没用的事吧。我还以为那会很有趣呢,原来一点都不好玩啊。

―― ウケる以前に、怖かったですよ。閉める直前に少女の顔が大写しになるじゃないですか。あのカットがいちばん怖かったです。
―― 在好玩之前,是恐怖了。关上窗帘之前不是有少女的脸的特写吗?我最害怕那个镜头。

水島 ああ、ちょっと恨めしそうな顔してるところですね。
水岛  啊,是看起来有点怨恨的表情呢。

―― トイレを探してたはずの四月一日が、変な魚のいる部屋のところで「俺、何してたんだっけ?」と言うところは、結構ウケてましたよ。トイレで手を洗ってるところは、ちょっと「シャイニング」っぽかったですね。
―― 应该在找洗手间的四月一日,在有奇怪鱼的房间里说着“我,在做什么来着?”的地方也很有意思啊。在卫生间洗手的地方,有点《闪灵》的感觉呢。(注:著名恐怖电影……)

水島 ……すいません、ちょっと意識しちゃったかもしれません(苦笑)。えーっとですね、トイレの場面のコンテに「キューブリック風」って書いてました。
水岛  ……对不起,我可能也有点意识到了(苦笑)。这个嘛,我在洗手间的分镜上写着“库布里克风格”。(注:库布里克,《闪灵》导演)

一同 (笑)。

―― 蛍光灯の照明とか、相当かっこよかったですよ。
―― 日光灯的照明什么的,相当帅气哦。

水島 ええ、それはもうバッチリ。いやあ、背景の力って凄いですよね。
水岛  是的,那已经是完美的了。哎呀,背景的力量真厉害啊。

―― (笑)。メイキングの話に戻りますが、コンテが終わってから制作終了まではスムーズにいったんですか。
―― (笑)。回到制作的话题上来,从分镜完成后到到制作结束为止的过程还顺利吗?

水島 もの凄くスムーズでしたね。今までも何本かの映画をやって、映画というのは身も心も疲れ切っちゃうもの、というイメージがあったんですよ。「こんな事をずっと続けてたら早死にしちゃうだろうな」と思っていたのに、今回は凄く楽というか、サクサクとイイ感じで進みましたね。ダビングで全部色がついてる。しかも、ダビングが朝10時に始まって、夕方の6時に帰れる。ダビングって泊まり込むのが当たり前だと思ってたんで、「明るいうちに帰れるって、すげー!」と思いましたよ。
水岛  非常顺利啊。至今为止也曾拍过好几部电影了,电影这东西给我的印象是让人身心都疲惫不堪。以前明明会有着“如果一直做这样的工作的话,会早死的吧”的想法,但是这次却很轻松,感觉很顺利地前进了呢。音画合成的时候全部上色都完成了。而且,音画合成从早上10点开始,傍晚6点就可以回家。我还以为进行到音画合成的工序的时候在公司住下是理所当然的,想着“天还是亮的时候就能回去了,太厉害了!”。

―― 原画もスムーズに上がってきたんですか。
―― 原画也顺利地画出来了吗?

水島 かなりイイ感じで上がってきましたね。一度に、そんなにたくさんチェックはしてないんですけど、丸1日やっても30か40(カット)ですかね。とにかく、こんないい作り方は初めて、という感じですね。徹夜って、一度もしてないんですよ。
水岛  感觉挺好的。一次没检查那么多,做一整天也是30或者40(镜头)吧。总之,我还是第一次感受到这么好的制作方法。彻夜这种事情,一次也没干过。

―― ほう。
―― 哇。

水島 朝まで仕事したのも1回か2回。ただそれは、自分のコンテが遅れているとか、そんな理由で徹夜していた事はありますけど。それ以外で引っ張るような事は、全然なかったですね。全てのアニメがこうなると楽だなあ、と思いましたよ(笑)。
水岛  工作到早晨其实也有一两次。虽然那只是因为我自己的分镜落后了之类的理由而熬夜。除此之外根本就没发生过什么事情啊。我想如果所有的动画都这么开心就好了(笑)。

―― それはI.Gの制作管理能力の賜物ですか。
―― 是拜I.G的制作管理能力所赐吗?

水島 それは間違いないですね。他にも管理能力がしっかりしているところもあるとは思うんですが、そういうところって、おそらくクオリティを……。
水岛  那是没错。虽然我觉得其他管理能力也有很强的地方,不过达到了这种程度,那质量肯定是……

―― ちょっと甘くしたり、各スタッフのこだわりを許さなかったり。
―― 像是可以稍微放纵一下的时候,以及不容各职员的抱怨挑剔的时候。

水島 そうですね。粘る事は許されていて、管理がしっかりなされているって、凄いんじゃないですかね。
水岛  是啊。对细节坚持是被允许的,而且管理得很仔细稳固,不是很厉害嘛。

―― 併映作品(『劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの中の姫君』)とのリンクというアイデアについて、水島さんとしてはいかがだったんですか。わりと観客は面食らうと思うんですけど。
―― 关于与并映作品(《剧场版翼•年代记 鸟笼国的公主》)进行联动的想法,水岛先生您觉得怎么样呢?我觉得观众会很惊讶的。

水島 原作で『×××HOLiC』と『ツバサ』が完全にリンクしているというのと、2本立て興行であるという事を活かすためにも、やるべきだったんじゃないですかね。ただ、単体で観た時に(リンクする部分が)ストーリーの中の核心になっちゃうと、もう1本も観ておかないとわけが分からなくなる。だから一応、後日談的な部分でリンクするようにした感じですね。
水岛  原作中《×××HOLiC》和《翼•年代记》就完全是联系在一起的故事,以及为了两部电影的票房,也该尽力这样去做。只是假如在单独观看的时候(联动的部分)作为故事中的核心的话,不再看另一部就不能明白发生了什么。所以我感觉起码应该在后日谈的那部分进行联动吧。

―― それは水島さんの意見も、反映されてるんですか。
―― 这也是反映了水岛先生的意见的缘故吗?

水島 いや(笑)。でも、もしリンクが本筋に関わってきていたら「ちょっと待って、それはやりづらいかも」と言ったかもしれない。でも、そうはなっていなかったので「そうそう、よかった」と思って、黙って聞いてました。……シナリオ会議では本当に、ただ無口な人という感じでしたよ(笑)。
水岛  没有(笑)。如果联动部分与故事主线有关的话,我也许会说“等等,这可能很难做”。但并没有变成那样,所以我一边想着“对对,这样就好”,一边默默地听着……我觉得自己在剧本会议上只是个沉默寡言的人(笑)。

―― 先ほど、小さな子どもの観客が意外と多いという話が出ていましたが、完成してから、劇場には足を運ばれたんですね。
―― 刚才说到小孩子的观众出乎意料的多,那么是完成之后就去了电影院了啊。

水島 ええ、もちろん行きましたよ。
水岛  嗯,当然去了。

―― いかがですか、お客さんの反応とか。
―― 怎么样呢,客人的反应什么的。

水島 そうですね、思ったよりみんな笑ってくれるんだな、と思い、ホッとしましたね。ああ、ひと安心、という感じですかね。……まあ、概ねよかったと思います。
水岛  这个呢,大家比我想象中都笑得还要厉害,我松了一口气啊。啊,有种安心的感觉吧……嘛,总之就是觉得反响还不错。

―― なるほど。御自身の手応えとしてはどうだったんですか。
―― 原来如此。您自己的感受怎么样?

水島 えーと、手応えって、ある程度、時間が経ってみないと分からないものじゃないですか。今作りたてのホヤホヤなので、何とも言えませんね。自分にとっての作品に対する手応えは、DVDが出る頃に初めて分かるんじゃないかと思います。……あとはそうですね、ネットでも見ますかね(笑)。
水岛  呃,感想什么的,我觉得从某种程度上来说不经过一段时间之后是不会知道的吧。因为现在才刚刚做完,所以还很难说呢。对我来说,对作品的感觉要等到 dvd 出来的时候才能知道……之后就是在网上看看吧 (笑) 。

―― ネットに出ている感想ですか。
―― 网上的感想吗?

水島 ええ。自分で、一番参考にしたいのは個人のブログなんですよ。そういうところは結構覗いてますよ。
水岛  是的。我自己最想参考的是个人博客。这方面我可是悄悄地看过很多了。

―― 最初の話に戻りますけど、「自分が呼ばれた理由」とのバランスが難しいという事だったんですけど。具体的に作業をする時に、そういう判断をしたわけですか。「このギャグは、やりすぎちゃいかん!」とか。
―― 回到最初的话题,和“自己被叫来的理由”进行平衡是很难的。具体工作时,您是否做出了这样的判断?“这个笑话不能做得太过分了!”这样的。

水島 思いますよ。だって、お下劣なギャグはできないじゃないですか(笑)。コンテ描いてる時ってどうしても集中してやっちゃうので、よく分かんなくなっちゃいますけどね。「なんか面白いネタはないかなあ」と考えながら描いてるんで、そういう時は、理性というか、バランス感覚がちょっと壊れちゃうんですよ。だけど、やっぱり自分の中で抑えなきゃいけない気持ちっていうのは、いつでも持ってなきゃいけない。それがないと突っ走った『ドクロちゃん』みたいになりそう。
水岛  我注意着呢,因为不能做下流的搞笑啊(笑)。我画分镜的时候总是非常集中注意力的,所以也不知道该怎么应对。我是一边想着“有没有好玩的段子呢”一边画着,这种时候理性或者说平衡感会稍微坏掉。但是,果然自己心里必须压抑着,这种心情还是无论何时都要有。没有了就会变得像暴走的《扑杀天使》一样。

―― なるほど。
―― 原来如此。

水島 あれは「悔いを残さず行くところまで行って、作り終えたあとはいい大人になろう」という考え方でやっているので(笑)。今、DVD4巻が完成したんですけど、かなりえげつないですよ。TVオンエアではお見せできないところがあります。6シーンも。
水岛  (扑杀天使)那边因为是以“不留遗憾地前行,做完之后再成为一个好大人”的想法而进行的(笑)。现在DVD4卷已经完成了,可是相当的重口啊。有些地方在电视上不能展示,有六个场面。

―― 『ドクロちゃん』が最たるものですが、『クレヨンしんちゃん』の各話演出をされている頃から思ってたんですけど、“不穏な空気”みたいなものを作るのが巧いなあ、と。
―― 《扑杀天使》是最夸张的,不过看《蜡笔小新》的各集演出的时候我就在想了,能制作出像“令人不安的气氛”之类的东西,真是巧妙啊。

水島 不穏な空気?
水岛  令人不安的气氛?

―― 『ヤキニクロード』の序盤で、野原一家の周りの人々がどんどん密告者になっていく、あのイヤ~な感じとか。
―― 比如在《烤肉之路》的开头部分,野原一家周围的人渐渐成为告密者,那种超让人难受的感觉。

水島 えーと、多分、それは性格だと思うんです。『しんちゃん』をやっている時は、本郷(みつる)さんや原(恵一)さんから「黒い」と言われてましたから。
水岛  呃,那个也许是性格原因吧。因为做《蜡笔小新》那时候,本乡(充)先生和原(惠一)先生都用“黑暗”来评价我了。

―― (笑)。そうなんですか。
―― (笑)。是这样啊。

水島 「お前は悪人だ」って、しょっちゅう言われ続けましたね。多分、そういうところじゃないですかね。何をやってもダークさが出ちゃうんですよね。その黒さもホントは消していきたいというか……。
水岛  (那段剧情中野原一家)被说“你是个坏人”这种话的场面渐渐越来越多。(自己的性格)大概就是这样的地方吧,无论做什么都会显得有点黑暗。其实那种黑暗我也是想要消去的……

―― いやいや(笑)。そこが好きなファンもいるでしょう。
―― 哎呀呀(笑)。那种地方也会有喜欢的粉丝吧。

水島 多分、歳とると、そういう部分は、だんだんなくなっていくと思いますよ(苦笑)。若い頃には悲劇的なものとか、怨念とか、憎しみとか、そういうのが大好きだったんですけど。今は「ハッピーエンドじゃなきゃ嫌だな」「幸せにならないものは嫌だな」と思うようになってきましたね。
水岛  大概,我觉得这样的部分随着年龄的增长就会渐渐消失的(苦笑)。年轻的时候我非常喜欢悲剧性的东西、怨念、憎恨等等之类的。但现在已经觉得“如果不是大团圆结局就讨厌”,“讨厌不能得到幸福的故事”了呢。

―― なるほど。
―― 这样啊。

水島 若い頃はもう「全人類を呪う」みたいな(笑)、そういう負のエネルギーを持っていたんですよ。そういうのがだんだん、なくなってくるんですよね。脂っこくなくなってくるというか。自分の中では、それはよい事だと思ってます。
水岛  我年轻的时候已经有类似“诅咒全人类”(笑)这种负面的能量了哦。那样的事情还是渐渐的消失了,或者说想法已经变得不再油腻腻了,我觉得那是件好事。

―― 確かに『×××HOLiC』は、ホラーであるにもかかわらず、そういった意味でのダークな感覚はあまりないですよね。
―― 确实,《×××HOLiC》虽然是恐怖片,但从这种意义上来说并没有让人感觉很黑暗。

水島 原作がそうでしたからね。どこかサバサバとした感じが欲しいな、とは思いましたね。……あ、今の話をして思い出したんですが、四月一日が、観客にウザいと思われないようにしたいと思ったんですよ。だから早めにブレーカーが落ちるタイプとして考えてました。ギャーギャー騒ぐけど、変な事が起こると、ブレーカーが落ちちゃう。感情がなくなる。だから黙々と変な空間を歩いたりとか。そういう風にはさせたんですよ。
水岛  因为原作是这样的。我觉得还是想要有朝气蓬勃的感觉呢……啊,刚才的话让我想起了,我希望观众不会觉得四月一日烦人。所以我早早把(感情的)总开关设定成了容易断线的类型。如果发生了骚乱或者奇怪的事,开关就会关掉。让他感情消散于是不声不响地在奇怪的空间里走动什么的。是这么办的。

―― じゃあ、作品に関しての総括はまた今度という事で。I.Gとの仕事のやり方などに関して、どうでしたか。
―― 那么,关于作品的总结下次再说吧。关于I.G的工作方法等,怎么样?

水島 考え得る中で、ベストの制作会社だと思いますね。ベストじゃないところは、もうちょっと早めに呼んでほしかった事ぐらいかなあ(苦笑)。
水岛  在可能的考虑中,我认为是最佳的制作公司。不是最佳的地方,只有希望能更早地通知我一下吧(苦笑)。

一同 (笑)。

水島 こんな作品をやるんだけど、どう思う? といったところから参加したいな、というのはありますよ。
水岛  “能做这样的作品,你觉得怎么样?”,我想从被问这种问题的时候开始参加进去。

―― なるほど。
―― 原来如此。

水島 でも、「劇場をやれてよかった!」とは思っています。今はその気持ちでいっぱいです。自分に向いているか向いていないかはともかくとして、映画は楽しいなあ。決して、自分の中で差をつけてはいないのですが、TVシリーズやOVAより、やっぱり作っていて映画は面白い。水野晴郎さんみたいなオチになっちゃいましたけど(笑)、そう思いましたね。
水岛  不过我还是觉得“能是剧场版太好了!”,现在心中充满着这种心情。暂且不说是适合自己还是不适合自己,拍电影真快乐啊。绝对,在自己心中没有差别,不过比起TV系列和OVA,还是制作过的电影更有趣。我想大概变成水野晴郎先生那样的结局了(笑)。

―― 確かに、ファンとしても、水島さんがフリーになられて、こんなに早く映画を作るとは思いませんでしたよ。
―― 确实,作为粉丝,我也没想到水岛先生成了自由人后这么快就拍电影了。

水島 いや、ビックリでしたよ! 「ラッキー!」って感じ(笑)。
水岛  哎呀,吓了一跳呢!感觉很幸运!(笑)。