2021-1-23 12:06 /
評価点
上述のようなシステム上の難点はあるが、決して全体の作りそのものが雑というわけではない。
ステージ構成や敵キャラの特徴がしっかりと形作られている点は、アクションゲームとして評価に値するだろう。
田中宏和によるディスクシステム音源を使ったBGMは評価が高い。
ステージ1で流れる行進曲風のBGMが特に人気が高く、本作を象徴する曲となっている。
おバカ要素
ギリシャ神話をモチーフにした世界観にそぐわないバカゲー的要素の数々。
ゲームオーバーの際、プレイヤーを小バカにするようなマヌケなBGMと共に画面に表示されるヤラレチャッタの文字。
本作を象徴するフレーズとして語り草となっている。*3
死神という敵がこちらを発見した時にも間の抜けたBGMが流れる。*4
特定の敵が投げてくる ナスビ に当たると、ピットがナスビ化してしまう。そして呪いを解除するのが病院。中に入ると看護婦が出てくる。(ナスとナースをかけたダジャレ)。更にナスビを投げてくる敵の名前がまんま「ナスビ使い」。
呪い自体は攻撃ができなくなるという深刻なバッドステータスなのだが、ナスビに足が生えているように見える外見も相まってギャグにしか見えないのが笑いどころ。
お店では2コンのマイクに喋ってアイテムを値切る裏技がある。しかし、場合によっては怒鳴られて逆に高く売りつけられてしまう*5。
アイテムとして拾えるクレジットカード。ヤミ屋でアイテムをツケで買えるというもの。
体力回復の部屋にあるのは温泉。色が黄色で油のように見えるため、なすび状態で入ったプレイヤーの誰もがなすの天ぷらという言葉を思い浮かべた。
各所に大きめのハートを落とす多数の敵が出てくる部屋(敵の巣)があるのだが、そこで出てくる敵はパーティグッズ鼻眼鏡のような見た目のその名も「メガネハナーン」。*6
上述の通りEDは複数パターンあるが、最低のEDがなんとメガネハナーンになってしまうという、なんとも滑稽かつ報われないもの。
メトロイドに似た敵「コメト」、2種類でコンビを組んで出現する「フィル」と「コリンズ」などのパロディ要素も。
しゃがみ歩きの概念があるのだが、その際しゃがみ姿勢のまま一切足を動かさずに移動するという、あまりにも気持ち悪い移動をする。
当然(?)ナスビ状態でも可能。その際足が見えなくなるため、ナスビそのもの。
流石に気味が悪いのか、『スマブラx』に参戦した際にはしゃがみ移動自体しなくなってしまった。
以上のおバカ要素が良い意味でのコメディ的世界観を形成しており、理不尽とも思える難易度の高さも笑って許せると思えるような陽的で明るい雰囲気を醸し出していた。

総評
様々な任天堂作品を寄せ集めた作り、良質なBGMや独特のゲームバランス、各所の笑える演出などが印象的な作品だが、逆に言えば、大きく話題として取り上げられる点がそれらのゲーム性以外の外堀的な部分くらいにしかないというのも事実だろう。
ただのつまらない凡作ではないキラリと光る個性を持っているのだが、攻略に必要な淡々としたスコア稼ぎに加え、癖のあるゲーム性やステージ構成に起因する難易度の高さがゲームそのものに対してマイナス気味な印象を与えてしまったようだ。
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