2021-8-17 04:24 /
终于从日亚买到了这本书的Kindle版,目前上册看了30%,报告一下目前感受。

  • 这本书其实是一部短篇小说集,每一篇都以一种花的名字作标题,所以叫花物语。

  • 虽然说是小说集,但实际读起来更像是散文集。故事性约等于没有,反而各种描写非常多,实际上可以说是到了描写过度的程度,因此读起来也非常困难。

  • 总之文风上非常日本文学,非常非常日本文学。耽美(原义)、朦胧,总之你觉得日本文学该是什么样的这书的文风就是什么样的。

  • 描写女学生的作品确实占多数,但也不全是写女学生的,比如下边我贴的那篇刚好就不是写女学生的。

  • 不愧是大小姐文学,很多作品就是里能把各种非常土豪的事情用一种极为平平无奇的语气说出来,仿佛生活本来就该是这样一样。

  • 作者似乎对意大利有谜之好感,各种地方都会出现意大利。后世圣母在上里主角们修学旅行也是去的意大利,不知跟这有没有关系。

  • 当然,最重要的,乍看之下这书里对女性之间情感的描写实在只能称得上是“点到为止”,大体上无非就是写某个瞬间的“啊她真温柔”或是“啊她真好看”这样的短暂情感。但看过之后却会不免让人“细思恐极”,留给人充裕的想象空间。所以这,就是高级百合吗……

    作为例子,试贴出其中一篇以资参阅。这篇虽然不是最有代表性的女学生题材,但在我目前看过的部分里确实是印象最为深刻的一篇了。窃以为这比现今那些百合风俗题材的作品还要更让人遐想……加下划线的部分是原文加着重号的地方。

    蘭(らん)

       私は幼いころ育った所は寂しい東北の小さい町でした。私は父も母も知らずに外国婦人の世話になって養われていました。そして七つ──まだ何にもわからない年頃の私は伊太利(イタリー)人のピアノ教師の許へ通わねばなりませんでした。何しろその頃のことですもの、小さい手(ゆび)指(さき)を力いっぱい拡げてタッチの堅い鍵(キー)の上に並べるのでしょう、ようやく指が動き出すと傍で先生が銀の細い棒で時(タイム)を取るのです。一音符でも間違ったら大変、びしっとその銀の棒は鍵盤の双手の上に打ち下されます、柔らかい子供の手ゆえ棒の当った跡そっくり、みみずばれに腫れて指先が痺れて……間違うまいとあせればなお妙な音が出ると烈しい銀棒の雨の下に両手は感覚を失なって双の瞳は涙に曇り、前の譜が朧に霞んで消えてゆくと自分の気も遠くなって床に倒れるのでした。

       こうした毎日の辛さは小さい私にはあまりにも重い荷でした。ある日のこと、とうとう堪えかねて稽古に行く途中逃出(エスケープ)しました。それはうす曇りの思い佗しい冬の日の午後でした。当(あて)もなく町の中をさまよいました。その時路の行く手に大きい朱塗の柱に金粉で蒔絵した美しい門がありました。入れば円(まる)い柱や棟木には巡礼が貼ってゆくお札が斜めに横に跡とめているのも懐しい思いでした。庭には黄ろい扇形の葉を落した銀杏(いちよう)の大きい樹が、箒の先のように小枝を大空へ向けていました。そして隅には石の地蔵が幾つもならんで、その中に坐っている一つの地蔵の胸に、赤い涎よだれ掛かけが結んであるのに心をひかれて私は立っていました。私にとって、こうした寺院の中は何もかも珍しく奇しく思われました。そして不思議な未知の世界を探る気持で、いつとはなしに本堂の上に昇ってしまいました。見上げる欄間には、極彩色の透(すかし)彫(ぼりで)、紫の雲の上に羽衣を身にまとうた天女が白蓮の花をささげて空に浮いています。またその奥を進んでゆくと、杳(はるか)な向こうに蠟燭の灯が神秘にまたたいて、香の煙がほのかに匂うて奇(あや)しくも誘(いざな)われるように心は魅せられてゆくのでした。

       ふとうち仰いだ高い天井には、一面に墨で描かれた大きな雨を呼ぶ竜が黒雲の中から半身を現していました。見渡すあたり人影もなく、微かすかな物の音もせぬその中に、私は呆然として佇んでいました。その時鐘楼の古銅の鐘が暮れてゆく時を告げてGON……GONと鳴り響きました。

       あの黄金の偶像をもつ御(み)仏(ほとけ)の堂内に鳴りわたる鐘の音こそは、東海の民がいだくもの寂た幽愁を含んで流れてゆくのでした。外(そと)面(も)は黄昏(たそがれ)が近よって来て、鼠色の夕暮の色は濃く沈みゆき、御堂の隅々から夜という怪しい魔人がそろそろ這いでるように薄暗くなりましたの。すると天井の黒い雨雲がもくもくと湧いてきて私の小さい身体を囲むのでした。そしてあの竜が爛々と光った眼を私の方に向けて、恐ろしい形相で雲を鋭い爪で搔き分けつつ進んで来ました──『あっ』と逃げようとすれば足は雲に包まれて自由にならず、次第に黒雲はもくもくと私の足もとを襲います。

       あまりの恐ろしさに声をあげようとしても、咽(の)喉(ど)がふさがって……涙ばかりが瞳を溢れ出ました。しくしくとすすり泣いて黒雲のなかに埋もれて竜に睨まれていると、あの向こうの欄間の紫雲たなびく彼方の空に舞いたまう麗しい天女が、白蓮の花をささげてつと羽衣を翳(かざ)したまうや、颯(さつ)と紫の雲が渡って、貴き女性の手にする真白の葩(はなびら)が、ひらひらと散り舞うて群がる黒雲にかかると見るや、さしもの黒雲も跡なく消えはて、私はやはり寺院の御堂の畳の上に立っていました。あの恐ろしい竜は御(み)法(のり)の徳によって再び天井の板へ平らに封じられてしまいました。

       私がほっと息をついた時、私の肩を抱くように支えていた真白い嫋(なよ)やかな手を見出しました。指輪などを一つもはめてないだけになおさら優しい指でした。桜貝のような紅さした爪が可愛く先にのぞいていて……背(せな)の後ろに声がしました。

       『どうしたの?』

       声はきっぱりと張を持ってちょっと投げやりでも、親しみのある気持のいい調(トーン)でした。

       『あの──黒い雲から天井の竜が出て来たの──』

       私は怪しくも奇しき幻を示すがごとく語りました。

       『まあほんとう。へえ』

       半ば呆れたらしく、半ば感じたらしく、その人は私の肩から手を離して前へ来ました。うす明りの中で朧に人の姿が見えました。顔立は白く小さくて、美しい鈴を張ったような眼はうるんで露をふくみ、唇が海(かい)棠(どう)の蕾の紅をうすめて少し綻び、濡羽色の髪はすっきりとした銀杏返しに根締、銀(ぎん)元(もと)結(ゆい)のただ一本、黒繻子の襟のかかった古(こわ)渡(たり)唐(とう)桟(ざん)が青梅綿をきらって素(す)袷(あわせ)らしく、ほっそりと撫肩に着流した上に、ふわりと触るれば落ちそうな黒縮緬の羽織……紋は靄にかすんだ星影とも見えて……その胸元をつつむ半襟はうすい銀鼠の地に錆(さび)竹(たけ)色(いろ)で葉を蔭と表に振り分けて白く蘭の花を染めぬいたものでした。その人の優しい寂を帯びた細(ほそ)面(おもて)に、くっきりと落着いて似合いましたの。

       『ひとりぼっちで、こんな処になぜ?』

       その人は情なさけをこめて問うのです。

       『あのピアノのお稽古が恐ろしいの。だって覚えが悪いと銀の鞭(むち)で打たれるの……』

       私は赤い袖口に小指をからませて拗ねた風情で訴えるように答えました。

       『まあ、いじらしいこの小ちゃい手を。……けれども、あのね何でもお稽古事は辛いものなの、私もあの雛(お)妓(しやく)のころは絃いとと唄とに責めぬかれて朱(しゆ)羅(ら)宇(う)の長(なが)煙管(きせる)が二つに折れて飛ぶほど、いじめられたの、そのたびに亡くなったお母様(つかさん)のお墓の前へ来ては泣いたの、大きくなった今日もこうしてお詣りにくれば女の児が御堂の中で独りで泣いているのを見て、吃驚(びつくり)してかけこんで、あなたを抱きしめたのよ──』

       と、しめやかに語りつづけて美しい歌(うた)妓(ひめ)はやさしい胸のあたりに私を抱いて、かんで含めるように辛い稽古も行末のために忍ばねばならぬこととしみじみと言い聞かせて、なだめつすかしつ私の涙の顔を拭いて襟元をあわせて、ゆるんだ小さい赤い帯をひきしめて可愛い立(たて)矢(や)に結んで、そして私の手を握って『ね、わかって?』とにっことほほえんで顔をさし覗く──私はさきから優しい胸に顔をおしつけて抱かれているのがどんなに嬉しかったでしょう。その襟元の蘭の花が淡くも匂う心地がして、できることならいつまでも、こうしてここにいたいと願いましたけれども、……やがて美しい人に手を引かれて青い洋館の門まで来ました。

       『ここなの、ではさようなら』

       私の手は離されました、──冷たい鉄の門を潜(くぐ)りながら、も一度振りかえると、あちらの薄(うす)暗(やみ)の中に優しい人はまだ佇んで、じいっとこちらを見送っていました。私はいきなり駆けよって、『お姉さま』と呼んで、も一度その胸にすがって泣きとうございました──。

       それからの幾年月日は経て、都の巷に夜会の宴(えん)に、貴婦人の姿を飾る裾模様にこの蘭の花を見受けても、私はやはり、過ぎし日、この寺院の中に見覚えし歌(うた)妓(ひめ)の襟元に匂いし真白き蘭の花の、いや優りて匂い深く聖くも覚えられました。

       あの藤村詩集の中の、
    (蘭は思ひを傷(いた)ましむ)
    の一句を口(くち)吟(ずさ)む時──そぞろに涙さしぐまれて──あやしくも私の胸は顫(ふる)えるのでございます……。

       ああ永久に忘れ得ぬ愁いの花よ、白蘭! 散りぞな散りそ、散りしきて弱き子の胸ぞ荒すな、と私はひそかに祈りをこの花に捧げましょうものを。

  • #1 - 2022-8-5 13:26
    (灵活就业预备军)
    不好意思打扰了 我也在啃花物语,野菊那篇有一个地方死活看不懂,第28页的
    いつにおろかはありませんけれども
    这句话该怎么理解(bgm93) 方便的话能谈谈大佬的看法吗 谢谢
    #1-1 - 2022-8-6 12:49
    ζ*'ヮ')ζ 讀者諸孃へ
    出差中,等我半个月回去看(bgm38)
    #1-2 - 2022-8-8 20:29
    Suzuoto
    ξ゚⊿゚)ξ讀者諸孃へ御願申候 说: 出差中,等我半个月回去看
    啊不急不急方便的时候再说(bgm38)
    #1-3 - 2022-8-17 03:57
    ζ*'ヮ')ζ 讀者諸孃へ
    Suzuoto 说: 啊不急不急方便的时候再说
    回来了。这句话的整句是:
    でも 一つ 年 を 重ねる ごと に、 私 は 寂しさを 知る 心 を 強く する の でし た もの、 いつ に おろか は あり ませ ん けれども、 あの もの わびしい 秋 の 夕 暮 時 の 思い 悩まし さは、 どんなに 私 の 涙 を そそっ た で ござい ましょ う。
    这句「いつにおろかはありませんけれども」的难点应该就在这个おろか的理解上了。おろか有个习惯用法是是~はおろか,意为“不用说~”,但这句里如此理解似乎说不通。查了词典之后个人认为这里的おろか应当取如下义项:
    いいかげんに扱うさま。思いやりが薄いさま。おろそか。

    「—にそ我は思ひし乎布(をふ)の浦の荒磯(ありそ)の巡り見れど飽かずけり」〈万・四〇四九〉
    所以这句话是说“虽然我完全没有忽视(那些让我理解寂寞的心强化的东西)”,全句的意思差不多是“随着年龄一年年地增长,那些能让我更理解寂寞的东西我可从来不会没心没肺地不管,可是那个总觉得凄清的秋天黄昏时的烦恼,是如何让引出我的泪水来的呢。”
    #1-4 - 2022-8-17 21:28
    Suzuoto
    ξ゚⊿゚)ξ讀者諸孃へ御願申候 说: 回来了。这句话的整句是:でも 一つ 年 を 重ねる ごと に、 私 は 寂しさを 知る 心 を 強く する の でし た もの、 いつ に おろか は あり ませ ん けれども、 あの もの わびしい...
    懂了!谢谢大佬

    关联条目