Wonderful World 日剧

人は眠っている間、「ヘム」という第二の世界で生活している。ヘムとは、生き残ることが最終目的のような、野生に近い価値観に支配された世界である。ヘムでの記憶は現世に残らず、そこで人々は自分に隠されたもう一人の自分を解放する。稀に記憶を持ち帰ることがあっても、それは目覚めの悪い夢ということで忘れ去られる。だが稀に、ヘムの存在を理解し、現実との奇妙な因果関係に気づく者が現れることがある。
国際的な動物愛護団体の顧問弁護士である片山誠志（26）は自分の過失で幼少の頃より二十年もの間、植物状態で入院している兄・片山晃一（31）に自責の念を抱えて生きてきた。誠志は、ヘムで五体満足気ままな状態で生活している兄と出会う。誠志はそこで現実世界では味わえない残酷で命がけの体験を重ね、やがてそこで行われることが形を変えて現実世界で再現されていることに気づいてゆく。