ep.10 根拠なき自信
时长: / 首播:2022-03-13
頼朝の悲願と坂東武者の思惑
富士川の西岸に陣を構えていた平維盛率いる追討軍が退却。『吾妻鏡』〈治承4年(1180)10月21日条〉によると、これを知った源頼朝は、坂東武者たちに平家軍の追撃をかけて上洛するように命じました。しかし、千葉常胤、三浦義澄、上総広常ら有力な坂東武者が反対します。
その理由は、常陸の佐竹氏をはじめ坂東には頼朝に帰服していない勢力がまだ多数あり、まずは足元を固めるべきだというものです。常胤と広常にとって佐竹氏は、常陸地方の権益をめぐって争う競合相手でした。多くの坂東武者が頼朝に協力したのは、在地支配の安定や所領拡大のためであり、このまま上洛することにはメリットがありません。後白河法皇の救援、そして、平家打倒を目指す頼朝とでは、意識の違いがありました。
坂東武者の協力なくして、頼朝の悲願は達成できません。常胤・義澄・広常らの諫言を受け入れた頼朝は、上洛を断念して鎌倉へ帰還。その途中の相模国府で大規模な論功行賞を行い、従って戦った坂東武者たちの本領を安堵しました。
頼朝の悲願と坂東武者の思惑
富士川の西岸に陣を構えていた平維盛率いる追討軍が退却。『吾妻鏡』〈治承4年(1180)10月21日条〉によると、これを知った源頼朝は、坂東武者たちに平家軍の追撃をかけて上洛するように命じました。しかし、千葉常胤、三浦義澄、上総広常ら有力な坂東武者が反対します。
その理由は、常陸の佐竹氏をはじめ坂東には頼朝に帰服していない勢力がまだ多数あり、まずは足元を固めるべきだというものです。常胤と広常にとって佐竹氏は、常陸地方の権益をめぐって争う競合相手でした。多くの坂東武者が頼朝に協力したのは、在地支配の安定や所領拡大のためであり、このまま上洛することにはメリットがありません。後白河法皇の救援、そして、平家打倒を目指す頼朝とでは、意識の違いがありました。
坂東武者の協力なくして、頼朝の悲願は達成できません。常胤・義澄・広常らの諫言を受け入れた頼朝は、上洛を断念して鎌倉へ帰還。その途中の相模国府で大規模な論功行賞を行い、従って戦った坂東武者たちの本領を安堵しました。