#1 - 2024-2-21 06:37
リゼ・ヘルエスタ (どこか遠くへ行く、あなたを信じます)
 キャッチコピーが「文豪バトルファンタジー」と信じ込んで『文スト』系かな~と思って読んだらこれ『帝都物語』じゃん! 最初の方から『文スト』と一色単にすることに疑問があったのが本編を読んでようやくすっきりした。これについては私がいち『文スト』ファンだったからというのもあって有耶無耶にしてしまっていたから気づきが遅くなってしまったのかもしれない。

 一応まだ読んでない人のために捕捉というか弁明しておくと『夏目漱石ファンタジア』のメインはガッツリ近代文学とその作家。勿論色んな作家先生が出てくる。でも我々は事前情報に野口英世がいることに違和感を覚えるべきだったのだ。

 読み進めているときに頭によぎった作品はさっきから何度も書いてるように『帝都物語』だ。軽く説明すると帝都破壊しようとしてるキャラがいてその陰謀を阻止する人とでバトルが勃発するっていう感じの話。実は私は『帝都物語』を読んだことが無い(『新帝都』ならあるのだが)。前々から読んでみたいと思ってるがかなり前の作品で全巻絶版。発売当時はとても売れたらしく現代で言うところのメディアミックスも盛んだったのだが。時の流れは恐ろしいものだ。中古でも中々見つからないレベルの作品。だからここでの話は全てネットで得た知識になる事を了承して欲しい。

 この『帝都物語』の特徴として挙げられるのは、活躍した分野に関わらず実在した人物が多く登場する事だ。文学に限って言えば幸田露伴(代表作『五重塔』等)や三島由紀夫(代表作『金閣寺』等)といったお歴々が登場するらしい。

 さて事前説明が長くなってしまった『夏目漱石ファンタジア』の話に戻そう。文学者もかなり多かったけど、野口英世をはじめとして他の界隈の方めっちゃ多くなかった⁈ 名前でピンと来なくとも関連ワードで「ああ、なるほど」と心当たりがある事もあった。まあ、そういうこともあってこの作品は『文スト』の系譜というよりも『帝都物語』の系譜に近いなと感じた。史実の知識が多い所も共通してきてそう。

 巻末解説(ラノベでの解説って『死亡遊戯』以来見た)でも『帝都物語』作者の荒俣宏先生の名前が出てた辺りこう思った方はそれなりにいそうだなぁと。

 こうした複数の界隈の偉人達が絡み合う作品がラノベで大々的に取り上げられるのは恐らく今まで無かったんじゃないかな~と。だからこそ『帝都物語』に興味を持っている私としては今後の動向及び他の方の評判が気になる所。続きありますよな? あの終わり方は確実に2巻の準備してるでしょ。あの終わり方で完全なる「了」ではないと思うのですが。

 あと角川さん、この機会に『帝都物語』再版しません?