#1 - 2024-3-19 07:01
リゼ・ヘルエスタ (どこか遠くへ行く、あなたを信じます)
文章はラノベの中だと間違いなく上手い。今回大賞の片割れがあまりに酷く、編集部に文字を読める人間が残ってないのかと心配になったが、こっちを読んでひとまず安心した。
世界観もなかなか尖ってて良い。自分色の作品を書こうとしてるのが伝わってくる。面白さとかは置といて、こういう作品がまだ出てくる余地があるのは、オワコンギリギリのラノベ界隈にあって一縷の希望を感じられる。

で、これはラノベか?
ラノベって、キャラクターにハマれてストーリーにノれて、というものだったはずでは。

俺が思うに「面白い作品」と「上手い作品」は違う。
新人賞相手にラノベ史上空前に売れた作品を取り上げるのは酷かもしれんが、『とある』シリーズを例に考えてほしい。

『とある』はぶっちゃけ「下手くそな作品」だ。1ページ目から文章は酷いし、展開は引き延ばしだらけだし、事実コンテストでは落選してるので(このとき拾い上げた編集の審美眼は凄い)、小説として「下手くそ」なのは疑うべくもない。
でも、キャラクターがいい。そして勢いがある。

対する本作は非常に「上手い作品」だと思う。文章に目立った粗はなく、プロットもかなり考えられていると見える。結果として『とある』が獲れなかった電撃大賞を、本作は獲った。
なのに、キャラクターが記憶に残らない。ぐいぐい読ませる勢いもない。

ラノベに求められてるのは「面白い作品」じゃなかったか。
「上手い作品」の発掘は大衆文学の賞にでも任せておけばいいんじゃないのか。
文学賞気取りの「上手い作品」びいきが、最近の電撃大賞では鼻につくように思う。

作品のレビューってより電撃大賞のレビューで恐縮だが、近年の迷走っぷりを見ているといよいよハッキリしてほしい。
電撃文庫、お前は一体何がしたい?


某种意义上挺有道理的,不过都给mw文库了不当轻小说看也没事吧