嘉納千鶴子

嘉納秋継の妻。
隣の村から嘉納家へと16才で嫁いで来るも子宝に恵まれず、先代当主から辛く当たられていた。
先代の義父義母が死に、秋継だけとなってから鬱屈していたものが噴き出し浪費癖が始まってしまう。
初めは優しくも優柔不断な夫に窘められたい（自分を見て欲しい）気持ちもあったが、あまりの不甲斐なさに愛情が薄れてきてしまっている。
その折に、夫が大学の後輩を家の書生として連れてきたことで、遠からず彼と密通を繰り返すこととなる。
初めは夫を恐れて逢っていたが、知っているはずなのに口を出さないため、今や公然の秘密として開き直っている。
そして、冴えなかった夫の顔が最近明るくなってきたことから夫の動向を探り、立花の存在を知ることとなる。

性格は嫉妬深く、物・人に対する執着心が強い。
本来冷めているはずの夫にも目を向けていたのは、自分以外の生き甲斐を見つけられては癪なため。
元々性欲が強いわけでなく、書生との行為は夫へのあてつけの感が強い。