それは、とてもとても甘い――
とある時代、とある国、とある町。
とある大きな屋敷に、双子の兄妹は住んでいた。
内気で無口な兄ヘンゼルと、ちょっぴり我儘だけど世話焼きな妹のグレーテル。
よく似た顔に、よく似た声。
二人はとても仲が良く、いつも一緒にいた。
そんなある日、兄のヘンゼルが言う。
「ねぇ、グレーテル。
あの森のずっとずっと奥に、お菓子の家があるんだって」
「……二人で行ってみない?」
いつも口数の少ない兄の提案に、グレーテルは内心驚きながらも、快く応じた。
「まるでおとぎ話の主人公ね!」
そして彼らは、森の奥へと向かう。
お菓子の家など、存在するはずもないのに。
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とある時代、とある国、とある町。
とある大きな屋敷に、双子の兄妹は住んでいた。
内気で無口な兄ヘンゼルと、ちょっぴり我儘だけど世話焼きな妹のグレーテル。
よく似た顔に、よく似た声。
二人はとても仲が良く、いつも一緒にいた。
そんなある日、兄のヘンゼルが言う。
「ねぇ、グレーテル。
あの森のずっとずっと奥に、お菓子の家があるんだって」
「……二人で行ってみない?」
いつも口数の少ない兄の提案に、グレーテルは内心驚きながらも、快く応じた。
「まるでおとぎ話の主人公ね!」
そして彼らは、森の奥へと向かう。
お菓子の家など、存在するはずもないのに。