本作は井上荒野が父である作家・井上光晴と母、そして2021年11月に死去した瀬戸内寂聴をモデルにして創作した同名小説を原作とする物語。長内みはると白木篤郎は講演旅行をきっかけに出会い、男女の関係となる。第2子が誕生するというときにもみはるのもとへ通う篤郎だが、自宅では幼い娘をかわいがり、妻・笙子の手料理を絶賛。みはるは奔放で嘘つきな篤郎にのめり込み、笙子はすべてを承知しながらも心乱すことなく夫婦として平穏な生活を保っていた。共犯とも連帯ともいうべき3人の関係が生まれる中、みはるは突然「私、出家しようと思っているの」と篤郎に告げる。
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