時は江戸時代──。額にできた瘤のために旦那様に捨てられた陰間・紫苑を引き取ったのは、 薬種を育て藩に納めている薬師・能之だった。 体を使い能之に取り入り、生きる意味と術を新たに得ようとする紫苑。そんな紫苑が時折見せる無邪気で素直な様に、 自分の薬師としての知識に興味を持つ様に、たくましさと健気さを垣間見て感心する能之。 そして感心は「愛おしさ」へと変わっていく。 だが、紫苑の心になおも棲んでいるのは、かつて紫苑を絶望から救った旦那様ただ一人。 やがて瘤は肥大し、鬼の角のように育ち始め──。 衝撃の江戸恋絵巻! 作者渾身のデビュー作。 描き下ろしつき
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